365日、逢魔ヶ刻。

2007/01/06(土)15:47

じゃあ、誰が持ってんだ赤い糸の端っこを。

今でもソレを思い出すとドキがムネムネになるアレの話をしよう。 アレに関する思い出もまた、人によって様々だろう。 ムネムネに留まらずジュンッ!となってしまう人もいるだろう。 胸を突く思いは絶えず絶えず絶えずな人もいるだろう。 振り子細工の心のせいで好きだよと言えずにいた人だっていたはずだ。 ソレ=アレ=ドキムネ=ジュンッ!=突く=振り子細工=「初恋」だ。 年明けの4日、地元名古屋で我が某中学3年4組のクラス回があった。 このクラスの団結心は鬼のように強く 卒業以来、かなり頻繁にクラス会を開催してきた。 俺も皆勤賞だったのだが、今回はムリ。 例年になく仕事がテンコ盛りだったし、 何より活動の拠点を関東に移していたので 今年の年末年始は千葉で過ごさざるを得なかったからだ。 12月の半ばに幹事から出欠の往復ハガキが届いた。 断腸の思いで「欠席」の文字をぐるりと囲み 近況報告の欄に ・活動の拠点を関東に移した ・だって独り者になったから ・でも元気にやってるよ といった内容を記入し、同時にケータイの アドレスと番号を添えて投函しておいた。 昨日、俺のケータイに見慣れないアドレスのメールが届いた。 最近、目に余るほど数が増えたスパムかと思い削除しようとしたのだが 俺のケータイは着信したメールの本文の冒頭2行が読めるのだった。 「Mです。クラス会で会えなくて残念!(略)」 ん?M?クラス会? 慌てて開封。 なんと送信者は、 ソレでアレでドキムネがジュンッ!で突くと振り子細工な初恋の人だったのだ。 かなり激しく動揺しつつ全文を読む。 内容は「懐かしくてメールしちゃった」なのだが 本文の最後辺りに目が釘付けになる一文が。 「アタシね、バツ2になったんだ」 くぁーーーっ! 俺がこのMと出会いは中学1年の時に同じクラスになったことからだ。 何というかとても天真らんまんで当時のアイドルで言えば 榊原郁恵的キャハハハハな人だった。カラッとした明るさで。 そしてオムネも相当に郁恵的であった。 とっても好きだったし実際に仲良くもなったけど、 それこそ、その頃の俺は、好きだよと言えずに初恋は状態だった。 切ない切ない片思い。これを“すれ違いpart 1”としよう。 その後、中2になって別々のクラスに分かれたし、 俺は俺で新しいクラスで彼女もつくったから 中3で再び一緒のクラスになったからと言って何があったワケじゃない。 結局、初恋の人とは「仲のいいお友だち」というポジションになった。 “すれ違いpart 2”だな。 高校進学後、中2から付きあっていた彼女と別れたことで 俺は、性懲りもなく初恋を成就させようとしたらしい。 「やっぱりあの子、いいよなぁ」だ。 確か高2だったか。ついに告る。 も、撃沈。 「せっかく仲良しなんだからこのままでいようよ。  アタシも今、他に好きな人いるし」だった。 “すれ違いpart 3” 高校を出て俺は東京に。彼女は地元で就職。 この時点でもまだ、お友だち路線は続いていて 時折手紙のやり取りはしていたけど遠恋に発展するはずもなく お互い違う生活環境と生活リズムの中で次第にフェードアウト。 “すれ違いpart 4” 一旦、東京に白旗を振って名古屋に戻ってきたのが21歳。 ドンピシャのタイミングでクラス会が開催されたので参加。 近況報告のコーナーとなり俺は「戻ってきたよ」とご報告。 彼女の報告はこうだった。 「実は、アタシ来年結婚することになりました」 “すれ違いpart 5” その後、俺も27歳の2月に結婚したんだが さすがにここに至るまでの間は、彼女とは音信不通だった。 翌年の正月早々に開催されたクラス会では 今度は俺が結婚のご報告をしたのだった。 「え~っと、昨年の2月についに結婚しましたぁ」 で、彼女の近況報告。 「アタシ、去年バツ1になっちゃいました」 ホンキで自分の結婚を「早まった!」と後悔した“すれ違いpart 6” その後、俺のご家庭の雲行きが怪しくなり 怪しくなるどころか決定的になった三十代半ばのクラス会。 そんなだから、っていうのもアレだけど けっこう、このタイミングで彼女に逢えるのは嬉しかった。 少しの下心も込みで(本音)。 で、彼女の近況報告で再び俺はゲッソリさせられることになる。 「アタシ、リベンジするよ。今度こそシアワセになる。再婚決定です」 “すれ違いpart 7” 不思議とお互い連絡を取りあうこともなく年賀状のやり取りすらなかった。 何年かごとに開催されるクラス会でそれまでのブランクを埋めてきた。 そんな関係だ。「クラス会で焼けぼっくいに火がついて」なんて ことにもならず、というか↑こんなすれ違いっぷりでは なりようもないわけで。 で、冒頭に戻る。 もう、おわかりだろう。 せっかく彼女がフリーになった時には 今度は俺が名古屋を離れているわけで これが“すれ違いpart 8”だ。 ずっと思い続けてきたワケじゃない。 時々、何かの拍子に「元気でやってっかな?」と思うくらい。 中1で出会ってすでに20年経つのに 状況的にはついに何一つ進展しなかったのだから やっぱり彼女んとは、赤い糸でつながっていなかったんだろう。 でも、面白いなと思う。 決して交わることはなかったけど これだって「縁」。こういう縁もあるのだ。きっと。

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