YSL【Mon Paris EDP/2016】
【コンセプト】日常の退屈から逃れ、願望のままに彼のもとに吸い寄せられ、くらくらとしためまいを感じるほどの興奮に身を委ねる恋。そんな恋愛の絶頂に酔いしれる香り。まとう人を新しいオーラと情熱的な輝きで包み込む、甘くセンシュアルなホワイトフローラルシプレー。【調香師】■ドラ バグリッシュ/dora baghriche・ベルサーチェ『ヴァニタス(2011)』・アルマーニ『ガーデニアアンディグア(2020)』■ハリー フリーモント/Harry Fremont・カルバンクライン『CK One(1994)』『エタニティモーメント(2004)』・ランコム『オーウィ!(1999)』『ミラク(2000)』・ラルフローレン『ポロスポーツ(1994)』『ロマンス(1998)』『グラマラス(2001)』・トムフォード『ノワールデノワール(2007)』■オリビエ クレスプ/Olivier Cresp・ミュグレー『エンジェル(1992)』・ケンゾー『ローパケンゾー(1996)』『ケンゾーアムール(2006)』・DIOR『デューンプールオム(1997)』『ミッドナイトプワゾン(2007)』・D&G『ライトブルー(2001)』『ライトブルーサマーバイブス(2023)』・ニナリッチ『ニナ(2006)』『ニナルージュ(2019)』・ヴァレンティノ『ヴァレンティーナ/2011』・YSL『ブラックオピウム(2014)・ネオン(2019)・イリシットグリーン(2022)・オーバーレッド(2024)』【香調】燃え上がる恋の移り変わりを表現トップ:甘酸っぱいフルーティな香りが「恋の始まりを告げる出会いの高揚感」を表現ストロベリー、ラズベリー、ベルガモット、ペアーミドル:夜だけに花開く魅惑的なダチュラの花の香りが「燃え上がる恋に溺れる感覚」を表現オレンジフラワーアブソリュ、ジャスミンサンバックアブソリュ、ホワイトピオニー、ダチュララスト:官能的ながら落ち着いた香りが「離れられない、虜になる感覚」を表現パチョリ、ホワイトムスク、アンバー■感想:私の好み度<50>爽やかさのあるグレープキャンディのような甘いフルーティーでスタート。そこから少しビターだけど甘いベリー系の香りに変化するあたりは『ベビードール(2000)』の微かなベリーを思い出しました。ですがそれより強く思い出したのはエスカーダ『セクシーグラフィティ(2002)』。ラズベリー、ストロベリーなどのベリーの甘くてキュートな表現がよく似ています。トップのベリー/グレープ系が落ち着くとピオニーが開き始めこれはアルマーニ『ピヴォワンヌスジョ EDT(2014)』のフルーティーなピオニーに似ています。アルマーニはラズベリー、タンジェリンといったフルーティさにピオニー&ローズのブレンドですが全体的にエアリー。サンローランはピオニーの表現に重みと厚みがあります。ラストに入りピオニーが落ち着くと潮風に当たった肌のような匂いがするのでこれはカロンを感じるのかもしれません。さらにこのあたりからこの作品の個性というかクセというか…少し傷んだイチゴのような少しの酸味と苦味が混ざったような匂い。整えた表現だとビターなストロベリー×パチュリ×アンバーと変換できるかも。ラストのこの部分で好き嫌いが分かれると思います。またシャネル『チャンス(2005)』が煮詰まったような濃厚さを思わせる部分もあり最後にギュウギュウバタバタと騒々しいため、癒しを求める香調ではありません。『20代という若さと持ち前の明るさに自己肯定感が高い無敵系&愛され女子』をイメージする50代の私には羨ましくも微笑ましい香り。■拡散性・持続性拡散性は普通から少し高め、持続は普通からやや長め。■液の色・ボトル液の色はかなり淡いピンク。7.5mlのミニチュアボトルはクリアで四角ベースに複雑なカッティングで丸みのある形状。ネック部分にブラックのボウ。サイズは約w35×d29×h53mm、フランス製■季節10月から4月。真冬は個人的にはもう少しベリーが落ち着いてほしい。■年齢20代。女性向き。30代以降は自分時間のための香り。■サンローランの香水では…『モンパリ』はキュート系で20代向け、香りの系統はベリー×ピオニー『リブレ(2019)』はフェミニン系で30代向け、香りの系統はホワイトフローラル×気持ちハーバル廃番の『ベビードール』の香りを求めるなら…ロシャス『マドモアゼル ロシャスEDP(2017)』をおすすめ!■リピートミニチュアボトルで十分楽しめリピートなし。ミドルまでは好きで70点、ラストは30点、よって全体では50点。