「仮面ライダーX」→「変身忍者嵐」化。
「仮面ライダーX」は、前作「~V3」までとは世界観を変えて出発した。しかし、それも第8話までで、第9話以降は原点回帰(と言うか、ヒーローとして確立された2号編~V3への回帰)に向かう。 (メインライターの長坂氏は第1、2、7、8話の4本しか書いてないのだが…書いてない内に立藤兵衛が登場する。神ステーションの爆発も神宮寺大佐の「格」との兼ね合いらしいし) ここで前作までには無いライバル・キャラが導入される。アポロガイストである(ハカイダー的な。あるいはタイガージョー的な)。長坂氏の降板と入れ違いなのが皮肉に思える。 そして、彼の死後、キングダーク編に突入するのだが…。 栄光の7人ライダーの敵幹部(大幹部)は、大抵、外国人か、外国から赴任するか、さもなくば元々人間では無かったりする。 この傾向は旧1号編から有り、ショッカーはナチスの技術を受け継いでいるし、第6・7話では外国人の幹部を招聘している。第14話ではサボテグロンがメキシコから赴任し、以後の大幹部(ゾル大佐以降)の前例となっている。 ショッカー、ゲルショッカーの大幹部は外国から到着し、これはV3も同じである。飛んでアマゾンの敵も、やはり外国から来たし、ストロンガーの敵幹部も、タイタンは地底人、シャドウは魔の国の出身である。 で、ゴッドであるが…総司令(首領)は呪博士であり、神敬介の父親の友人、と言う、まず間違いない日本人。アポロガイストの国籍は不明だが、見た目は明らかに日本人だ。ただし、組織そのものは外国のテコ入れで誕生している模様で、初期~前半の敵はギリシャ神話モチーフとなっており、「敵は外国」と言う路線は継承されている。 …と、判りきった事を長々と書いたのは、「ショッカーは日本土着の組織」と思えてしまう為。帰化しているのか、と思うほど日本文化に適応している…と言うか、ぶっちゃけ「キャストが日本人ばかり」なので、「ショッカー=日本」と思えるのだが。 さて、「X」だが、当初はアポロガイストも登場せず、呪博士も最終回まで登場しないので、明らかに「非日本的な組織」である、少なくとも設定上は。 その「X」の後半、悪人軍団の登場は、怪人を「悪人+動植物」と言うモチーフにし、ショッカー的な印象に戻っている(「V3」のキバ軍団編以降と同工)。ただ、ここで「悪人」と言うモチーフが加わった事で、より「外国からの侵略」と言う点がクローズアップされた…と言うのは言い過ぎだろうか? イカロスやミノタウロス辺りは ともかく、プロメテウスとかクロノス辺りだと、どうもピンと来ないのだ(スケール感も違うし)。 「外国の悪人が侵略する」、と言うのは確かに原点回帰では有るのだが、むしろ「変身忍者嵐」のテコ入れ(の二番煎じ)では無いか、と言う気がする。余談ながら、ニセ嵐の似ようはショッカーライダーの比では無かった(デストロンライダーマンとかニセXに近い)し、どうしても「~嵐」と比べてしまうのだ。それに、「~嵐」は巻物を追うプロットが導入されているが、これは「X」ではRS装置の設計図として導入されている。やはり「~嵐」の手法が「X」に導入されたのだ、と思う。長坂ワールドが伊上ワールドに引き戻されたのだ。 …と思うのは、「イナズマンF」を見て「~ゴレンジャー」っぽいなあ、と思ったからか?(メインライターは同じだが…)。いや、ゼーバーで倒される怪人の断末魔描写って、ゴレンジャーハリケーンで倒される仮面怪人と同じだし。 念の為に言うと、「パクリだ」と言う事では無い(そもそも同じ原作者、同じ東映だし)。言わば、ホップ、ステップ、ジャンプ、と言うところか(ホップ=西洋妖怪、ステップ=悪人軍団、ジャンプ=デルザー魔人)。 と言う事で(?)、「日本人が首領で有りながら、やっぱりゴッドは外国からの尖兵」(傀儡かもしれんが) 「~嵐」の血車党は日本土着だが(原作の片方は違う)。