休日出勤と進まない作業・現実逃避
オフィスに休日出勤。前日マネジャーにボコボコに焼かれた提案書の草案をもう一度考えに来る。ううむ。アウトプットのクオリティ∝作業時間の関係が単純に成り立たない。つまり、見通しが立たない仕事。こういうのってストレス溜まるなぁ。(なんで気分転換にブログなんて書いてるんやけど)オフィスに来ると誰もいない。久しぶりに見る光景。だだっ広い空間にキーボードを打ち込む音が響く。窓越しに「ゴーッ」っていう都市の咆哮が聞こえる。よく聞くとその音は色んな微小な音に分解される。救急車のサイレンや車のエンジン音、風、何かを喧伝する宣伝のマイク、無数の人たちが生活する証とでもいうのか。立ち上がって窓から外を眺める。うちの会社は14階にあり、おまけにオフィス街ではないため周りに遮蔽物はなく、遠くまで見渡せる。晴れた日には富士山まで見渡せるくらい眺めがいい。今日は若干雲が空にかかり、大気も薄い塵のもやに包まれている。大地は一面コンクリートの塊で覆われてる。地平線まで、見渡す限り。ぼーっと眺めているうちにこれはカビに似てるなと思った。昔京都に住んでいるときに色んな寺の苔を見て回って感心していた。びっしりと地面を隙間なく覆う。しかし感じは似ているがもっと醜悪なものに見える。地球を一個の生命体だと見る考え方があるというが、まさにこれは皮膚を覆う皮膚病に見える。一度リセットする。頭の中で一個一個の建物を消していき、そこに代わりに緑の原生林を植えていく。見渡す限り一面緑の草原と森に置き換え終わったら、そこは1万年前の世界になる。1万年、日本列島の形が今の形になった時代だ。音も消去していく。あたかも潜水艦のソナー要因が採取した音から鯨の鳴き声や潮流の音を消して敵のスクリュー音だけを感知するように。最後に残るのは風の音だと想像する。地球が回転する音。原始の時代に仮想的に身をおいてさらにいろいろ想像する。森の中にいてる色んな虫や鳥や花、小動物や木々。でこぼこした木の根っこを見上げ、「なんてでかい山や!これを越えなあかんのか!」とため息をつく虫。何十回も巣の雛鳥に虫を咥えて運ぶ親鳥のため息「ほんま、子育て大変やわ。誰か代わってくれんかなぁ」しばし擬人化の戯れを行い、おろかと知りつつもそれがとても愛しくて、でももう二度と戻ってこないもんだと心のそこから実感する。進化は不可逆的で、欲望は欲望を生産する。きりのないチキンレース。ショーペンハウエルは世界は醜悪な地獄のようなところだと言った。どこまで行っても人は相対的に”何かが足りない”状況に必然的になる。物質的・科学的進歩の余地は逓減する。しかし人間の欲望はそれを上回る。きりないなぁ。まぁ言ってから気づくと、「緑を見たい。」これもまた欲望やね。ないものを求める、どこまでもやっぱりガキやねんやろうなぁ。人間は。さて、仕事せんと。さっきより大分暗くなってきた。