赤ちゃんの心理学
こんばんは、mamariです。
久しぶりにブックレビューです。
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出会いは図書館の教育関連の書棚。
ふと目にした『発達心理学』という言葉に興味を持ちました。
人間の子どもはどのように成長していくのか。
生まれて初めて光を目にした赤ん坊には、この世界がどんな風に見えているのか。
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子どもは時々、大人には理解しがたい行動を取ります。
4歳になる姪っ子の成長を見ていて、時々そう感じることがありました。
先日の姪っ子の話です。
帰宅時に、ハンガーにかけてあったコートをお母さんが取って、姪に着せようとしました。
すると、急に姪が大泣き。
理由を聞くと、
「なんでお母さんが取るの!自分でやりたかった!!」
と言っています。
「そうなの、ごめんね。次は自分でやってね。」
お母さんはそう言いますが、姪っ子は
「なんで取るのー!」
と泣きっぱなし。
「ごめんね。でもやっちゃったことだからもう仕方ないでしょ!どうしたいの!」
お母さんも声を荒げます。
それに対して姪っ子はさらに大泣き。
横で見ていた私もその時はどうしたものかと困ってしまいました。
今、この本を読んだ後で振り返ってみると、きっと姪っ子は、お母さんに自分の気持ちを受け止めて欲しかったんだろうな、と思います。
自分でやりたかったのにできなかった悲しい気持ちを、自分でもどうしていいのかわからなかった。
大人の私達はどうしても「伝える」ことに対して目的を見出そうとしてしまいますが、子どもはまだ目的と手段がはっきりしておらず、目的のない行動や衝動がある。
本書でもそういった事例がいくつか紹介されていました。
子どもはあくまでも成長過程にいること。
当たり前のことではありますが、気を抜くと先日の出来事のように、大人と同じような思考・世界を子どもに押しつけてしまいそうになります。
目まぐるしい速さで成長する子ども。
誰しもいつかは大人になるのだから、焦らずじっくりと、子どもが見ている世界に寄り添いながら成長を見守っていきたいな、と感じました。
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この他にもいくつか発見があったので、以下に引用しておきます。
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『泣けばすぐにベッドから連れだしてくれ、その回数も多いけれども、1回に短い時間しか相手をしてくれない保育者より、連れだしてくれるまでの時間が長くかかり、回数が少なくても、1度ベッドから抱きあげればじっくり面倒をみてくれる保育者に育てられた赤ちゃんの泣きのほうが少なかったということです。
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赤ちゃんは、不安定な気持ちで多くの回数いやいやかかわられるより、回数は少なくてもいったんかかわったら丁寧にじっくり相手をしてくれる人と一緒にいるときのほうが安心できるようです。』
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『鏡に映ったのが「自分」だとわかるためには
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自分自身を自分の外側から見るような視点の獲得があるからです。それは、自分の視点を自分の身体から離れたところに移せる能力を獲得するということです。
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この能力が飛躍的に発達したことにより、人の心はほかの動物とはまったく異なる世界つまり自分を意識しなければならない世界を生きなければならなくなったのです。』
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『イナイ・イナイ・バーは、赤ちゃんの期待にこたえ、同時にその期待をはぐらかす遊びです。そして、お母さんの心に強い期待感をつくりだします。
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ですから、赤ちゃんの心には瞬間的に緊張とその緊張の解消が生じ、その心の揺れ動きがたまらなく面白く感じられるのです。』
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『人の子どもの模倣は、けっして相手の見かけを真似しようとするものではありません。そうではなく、その人がどんな意図をもち、何を目標にしているのか、それを鋭敏にとらえ、その意図を再現しようとします。
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それは、目に見える動作の形態の模倣ではなく、目には見えない意図の模倣なのです。』
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『子どもは自分が知らない奇妙な物に出会ったとき、それがどんなものかを知ろうとしてお母さんの顔を見ることがたります。お母さんの情動を反映する表情やしぐさから、それがどんなものかを探ろうとするのです。
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お母さんが何も言わなくても、子どもはそうした情報をお母さんの顔を見るだけで取りこみます。』
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改めて、人間の能力はすごいな、と感じました。
他の動物の世界がどのように広がっているかはわかりませんが、少なくとも人間の世界・社会はとても複雑で、その中で生きられるように、生まれた頃から(もっと言うと胎児の頃から)、ちゃんと能力が備わっているのだということがわかります。
人間っておもしろい!!!
この本のおかけで、これからの娘の成長がますます楽しみになりました。
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今日もお読みいただき、ありがとうございました。