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φ(..) Daily Groovus

φ(..) Daily Groovus

第2回:2004.09.21

第2回目 : 好きなもんはずっと好きなのだ! 





ボクは昔からカセットテープに好きな曲をランダムに録音して聴くのが好きだった。
目的はドライブ用だとか通学電車用だとかそんなんじゃない。 自分の部屋で聴く時でもそのテープは大切なものだった。 とにかく90分テープにいっぱいいっぱい収録して聴いていた。
そしてより多くの本数を作ることが神からの使命であるかのようにダンボール箱いっぱい作り続けた。 まるで猿だ。

「さぁ聴くぞ♪」と取り出すテープには何も書かれていない。
そう、闇鍋のスリル。
しかもそのあと実際に〔PLAY〕ボタンを押すまでワクワク感とドキドキ感が共存するたまらない時間が過ぎていく。



さて、そんなテープが実は今でも何十本か残っている。
先日古い写真を整理していたら偶然そのダンボール箱の中にそのテープがたくさん入っていた。
まさに宝箱。
写真そっちのけで〔PLAY〕ボタンを押す。

JEFF BECKだ!
そういえばここ10年くらい聴いてなかったなぁ…。 JAN HAMMERかっちょええ~♪
そのテープには他にもRAINBOWやらNAZARETHといったハードロックに混じってTHE BROTHERS JOHNSONとかのファンク系やEARL KLUGHなどもごちゃまぜに入ってて何とも言いようのない当時の自分の音楽性に笑うしかなかった。

さて、何本か聴いていくうちに驚くべき事が発覚した。
どのテープにも必ず入っている曲があったのだ!
その曲のタイトルは…

     『炸裂する空門』

1975年にリリースされた【HAWKWIND】(ホークウインド)の6枚目に当たる『絶体絶命』に収録されているナンバーである。
確かにボクは今でもこの曲をよく聴く。
好きなもんはずっと好きなのだ!
ただね、こうやってフイに自分の「ハダカの気持ち」を目の当たりにすると恥かしいもんですな。
「よっぽど好きなんだね♪」と言われるのが怖い。 恐怖感にも似た羞恥心。
これは当時のテープに杉山清貴とオメガトライブが入っていることよりも顔が火照る。

まぁ、そんなわけでボク自身も気付かなかった「ボクの音楽嗜好」と「猿的な行動」を客観的に思い出さされた?一日だった。
みなさんもこんな経験ありませんか?
一度実家に戻って古いダンボール箱をこじ開けて見てください。
きっと忘れてた自分を見つけるでしょう。




warrior on the edge of time by Hawkwind


『炸裂する空門』by HAWKWIND


とにかく前作から加入したSIMON HOUSE(キーボード&ヴァイオリン)の存在がすべて!
アルバム全体を通して聴くのは辛いがこの曲だけはボクの中では「好きな曲TOP10」に入っているほど突出した名曲。
リズムはオーソドックスな8ビートで特にテンポも速いわけではないがこの流れるようなうねりは何だ!?
やはりこれは彼の奏でるメロトロン(ストリングス系)の音色とアレンジの賜物であろう。 この音だけを抜き出したらドラマチックな映画のサントラでも充分使えそうなサウンドだ。
そう、心の琴線にふれるとはまさしくこのことである。 これでもか!というほど感動の波が襲ってくる。 「そうそう、次にこの音が来たら涙が出る!」という希望をなんなく叶えてくれる…ツボの押えどころを知っている、そんなサウンドです。

もちろん他の楽器も素晴らしい。
70年代当時のROCKを語るに外せないのがアナログの代表格、ドラム(ツインドラム!)とベースのリズム隊である。
正直言ってテクニックがあるわけではない、しかしロック精神を感じる温かい…というか熱い音を刻んでいる。 ちなみにベースはかの有名なMOTORHEADのLEMMY様である。 彼はこのアルバムを最後に脱退している(薬の不祥事で解雇)。

曲全体にリバーブがかかりエッジのハッキリしないサウンド作りがなされているが、それがまたこの曲にマッチしていて余計にボクを異空間に誘う。
この時期('74-'75年)のHAWKWINDは奇蹟だった。 基本的に彼等のサウンドは「スペイシーなハードロックンロール」だが、この1年間だけはプログレッシヴロックと言っても過言ではないドラマチックなサウンドを編み出している。
しかし残念ながらその後ごく普通の田舎っぽいロックバンドに成り下がり、あげくピコピコテクノサウンドっぽいアルバムまで出してしまう。 ボクはその2枚のアルバムを売ってしまった。(歴史的には貴重だったなぁ~、惜しい。)
その後'78年にHAWKLORDSとして再結成?して「FREE FALL」という名曲を残した。(その後またまたHAWKWINDとして再結成したが案の定………もういいでしょう(哀))





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