第5回:2004.11.01第5回目 : ずばり☆メロトロン!!プログレッシブ・ロックを語る上で絶対に無視することの出来ない名機『メロトロン』。 一時期の「アンチ巨人」みたいにネガティブな批判が出てくるほど、そのサウンドの影響力は大きい。 つまり、「メロトロンさえ鳴らせばプログレになる!」という声が出るほどなのだ。 さて、そのメロトロン。 一体どんな楽器かというと…ひと言で言えば『元祖サンプリング・キーボード』ですね。 その構造は極めて原始的。 信じられないかもしれないが、これはまるで“テープレコーダー(アナログ)”そのものなのだ。 ちょっと小ぶりの白い木箱に鍵盤が付いてて、左手方向に電子楽器らしく操作つまみがチョロッとついている。 まるでオマケ扱いだ(笑)。 内部を覗いてみよう。 下の写真はボクが楽器業界で働いていた時に訪問したお店で最後の在庫(しかも中古品)だという代物をパチリとさせていただいたものだ。 メロトロンの奏でる音はとっても物悲しいのだが、この日曜大工のような内部を見た時もボクの頭の中には物悲しいメロディーが流れました。(苦笑) 正直…しょぼい。 ショボ過ぎるのだ。 ボクもメロトロンには最大級の敬意と憧れを抱いていたので、その実物を見た時の驚きと情けなさは本当にパブロフズ・ドッグの『JULIA』 がしばらく頭から離れなかった。 要は鍵盤を押すとその鍵盤に割り振ったちょっと太目のテープが始動。 それは昔のカセットテープレコーダーと同じ仕組み。 鍵盤が「PLAY」ボタンなのである! しかもエンドレス・テープではないので端までくると音は途切れ、シュルシュルって巻き戻るのだ! その再生時間7秒!! ライブでは困っただろうね。 これこそミュージシャンの創造力を試される瞬間ですね。 白玉でストリングスの音を気持ちよーく弾き続けられないんだもん。 いろんな運指(?)を駆使しなきゃいけない。 しかもメロトロン奏者はその他にも色んな試練を課される。 ちょっとの電圧の違いも命取りだし、とにかくデリケートこの上なくツアーに持って行こうものならバンドのリハ時間をその修理のために費やさなきゃいけなくなるほど壊れやすい。 そんなメロトロン君だからこそ、あの哀愁を帯びたサウンドを鳴らすことが出来たのでしょうか?(笑)。 さて、もう一枚“進化したメロトロン” の写真を一枚。 これは日本のROCK黎明期に数々の名盤を世に送り出した成毛滋氏のスタジオに伺った時に見せていただいた『NARUMOTRON-700FG』である。 電圧計(?)やイコライザーが配され、さらにはノイズゲートまで装備されている。 凄過ぎるっっっ!! っていうかボクが成毛さんのスタジオに行ったという事実が凄いかも!? (余談だが実はその頃ボクの会社で輸入していた新しいギター弦の改良点などのアドバイスをいただいていたのだ。) そんなわけで今やほとんど目にすることのない 名機『メロトロン』 を紹介したわけだが、このコラムではどんな音なのかほとんどわからないですよね… f(^_^) それではその魅惑的なサウンドのご紹介はまたいつかこの【コラムGROOVUS】で♪ …とお約束して今回はお開きにいたしましょう。 ジャンル別一覧
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