φ(..) Daily Groovus

2005/08/30(火)04:06

VIENNA J-プログレの最終兵器

ミュージシャン(484)

「FOLLOW YOU」 ロッキンf 付録ソノシート (1988年5月号) 「右端は一体誰!?」ってね♪ 藤村“茶々丸”幸宏 Vo&G.(ジェラルド) 塚本周成 Key.(アウターリミッツ) 永井敏巳 B.(アフレイタス) 西田竜一 Dr.(ノヴェラ) この4人が結成したスーパー・プログレッシヴ・バンド 彼らのデビューは日本のプログレッシヴ・ロック界ではデビューの1年程前から噂になっていた。 その時の情報は凄いものだった!! (かなりレア情報だよ) それは1986年夏の時点での情報なのだが、その時のメンバーが凄かった。      Vo.&G.藤村幸宏   Key.塚本周成   Dr.西田竜一      G.中嶋一晃(ページェント)  B.荒牧隆(アウターリミッツ) という布陣である。 これはこれで凄すぎるメンツでしょ!? 結局この布陣は陽の目を見なかったが、日本のプログレ業界の決死の姿勢が垣間見える出来事だったではないでしょうか。 さて、実はここに『Official Bootleg Lives』というカセット・アルバムがある。 これは日本のプログレが全盛期だった1986-7年に旬だった幾つかのバンドのライブ音源をオムニバスでまとめたテープなのだが、ここにデビュー前のVIENNAの演奏が収録されているのだ!! 時は1987年7月26日シルバーエレファントでの音源だ。 たぶん結成されて間もない頃の演奏だろう。 ボーカル・レスのインスト演奏で、これが本当にUKを思わせるタイトでカッコイイ曲なのだ。 当時この演奏を生で観た人はぶったまげただろう。 ただしこの時のメンバーが誰なのかはボクは知らない。 知っている方がいらしたら是非教えていただきたいと切に願う。 (なお結局この曲はCD化されていないと思われる) その後もFM浦和でのスタジオ・ライブなどがあったが、一般にVIENNAのサウンドが届いたのはロッキンf5月号での付録ソノシートが最初ではなかったかと思う。(写真上) この頃から雑誌でソノシートを付録に付けることが流行りだして、REACTIONとかBLIZARD、KILLER MAY、LADIES ROOMとか今もボクの手元に残っている(実際に聴いたのはVIENNAとBLIZARDだけw) そのソノシートに収録されていた曲が、後に1stアルバム『OVERTURE=序章』のトップに収められた「FOLLOW YOU」だった。 ポップな茶々丸のボーカルに不安を覚えつつもバックの3人が素晴らしい緊張感の元に変拍子バリバリの演奏を聴かせてくれて、それはとても興奮したものだった。 特に永井のパーシー・ジョーンズばりのフレットレス・ベースの存在感はこの手のバンドには新しい息吹を吹き込ませたかのようで期待が持てた。 そして茶々丸のスパニッシュ風なアコギのソロも斬新だった。 ちなみにこの曲の作詞には前出の荒牧氏の名前が茶々丸とともに連なっているのが興味深い。 それから遅れること約1ヶ月、とうとう待望の1stアルバムがリリースされた。 しかも同年、半年という短いサイクルで2ndアルバムも続けてリリースしている。 『OVERTURE=序章』    『ステップ・イントゥ…』 (1988年5月)         (1988年12月) 全体的なサウンドはGERARDっぽいが、やはりトシと塚本ではかなりキーボード・サウンドのアプローチが違っているのでそれを楽しむのも面白い。 彼らのズバ抜けた演奏力は2ndの「ギャザリング・ウェーヴ」を聴けば一目瞭然だ。 ここでもやはり永井の超人的なフレットレス・ベースに度肝を抜かれる。 (そういえば、この時点でDream Theaterはまだデビューしていないことも興味深いのではないだろうか) また、アウターリミッツ的な「不思議な箱庭」やまるで壮大な映画のサントラのような「白夜」など、1stでは聴かれなかった彼らの懐の深さを改めて感じるナンバーを含む2ndアルバムをボクは推したい。 アルバムの詳しいレビューはまたいつかしたいと思っています。 彼らはその後『Progress』というLIVEアルバムをリリースするが、その後一旦活動を休止する。 (しばらくして西田に替わり、手数王こと菅沼孝三が参加しこれまた凄いテクニカルなプログレッシヴ・ロックを展開させている。) しかし、VIENNAがそのLIVEアルバムを出した頃から日本のプログレ・シーンは急激に翳りを見せる。 いや、1986年をピークに傾きかけていたのは事実で、その大きなカンフル剤としてVIENNAというスーパー・バンドを結成させたのだが、以前のようなムーブメントを再現するには至らなかったのである。 こうして再びプログレは地下に潜んでいくのだった。

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