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テーマ:DVD映画鑑賞(13596)
カテゴリ:映画音楽
先日さるぽん(♀)に“あるドラマチックなHMのCD”(明日レビュー予定)を聴かせたところ大層気に入ってもらえたようで、そのゴージャスさから『オペラ座の怪人』(2005年封切)を連想したと言う。 そして絶対ロマも泣くほどいいから観なよ♪という話になった。 …という経緯があり、この週末レンタルして鑑賞した。 ボクはミュージカルなんて高尚なものは滅多に観ない。 以前リンゼイ・ケンプの『真夏の夜の夢』を観たくらいで(あ、宝塚も観に行ったなぁ)、その知識はほとんどない。 よく“唐突に歌い出すのが苦手”という方もいらっしゃるようだが、それはミュージカルだから仕方がないのだ。 そういう形式だとか音楽主体のストーリーという違和感はボクには無い。 しかもこの『オペラ座の怪人』はミュージカル+映画の手法がとられているため、その2つの芸術の長所を融合させた素晴らしい作品であったと感じた。 何よりもまずは視野に飛び込んでくる豪華絢爛さに圧倒された。 建造物から小道具まで細部に渡って気が配られている。 そしてその色彩の美しさ……ロウソクの明かりに揺らめく衣装の艶やかさ、極色彩の花の輝き、1870年という時代の豪華な調度品の数々。 それらがシアトリカルに演出されボクたちを魅了する。 しかし、このクリスティーヌを演じたエミー・ロッサムの透き通るような美しさはこの世のものとは思えないほどだ。 この時まだ18歳だというから驚く。 端正な顔立ち、まさに天使のような歌声、完璧な演技力。 ロマ、恋に陥る(瞬殺 笑) とは言え、この映画の主役はすべてにおいてこの人だったーーーファントム役のジェラルド・バトラーである。 当たり前だけど… 彼の演技力はファントムの過去の苦悩や現在に至るまでの屈折した心の動きを見事に表わしていた。 特にクリスティーヌとラウルが愛の告白をしているのを陰から見つめ、捨てられた自分の薔薇の花を手に取り涙ながらに歌う「All I Ask Of You (Reprise)」は涙なしでは観られなかった。 クライマックスで再び地下の住処にクリスティーヌを連れ逃げ込むが、その時の彼の心の葛藤と動揺は必見。 彼女に婚約指輪を渡すが返されてしまう。 それでも最後に「愛してる」と涙ながらに訴えるファントム。 結局は自分から身を引く彼の心情はいかばかりか・・・・切なすぎるよ… それから約50年後、ラウルが2年前に亡くなったクリスティーヌの墓所に行くと、その傍らにファントムの証し=黒いリボンのついた薔薇の花が…。 そしてそれにはあの時の婚約指輪が添えられていた。 ファントムの生涯をかけた一途な想いが胸を打つ。(ここでまた号泣) 音楽はアンドリュー・ロイド=ウェバー。 彼はこの手の音楽をやらせたら世界一ですね。 1870年という時代背景には不釣合いなロック調の音楽もあり少し残念な印象も受けたが2005年に作られた映画という視点から見ればこれもアリでしょうね。 なお、生粋のミュージカル・ファンの皆さんには幾分不評なジェラルド・バトラーの歌声も、たまにピーター・ガブリエルのように聴こえたりして結構楽しめた。 あまり映画を観ないボクに珍しく強く奨めてくれたさるぽんの気持ちがよくわかる映画だった。 この『オペラ座の怪人』はプログレやシンフォニック・メタルを好むロック・ファンにも間違いなくお奨めできる作品ですよ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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