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異論はあるだろうけどボクの中で一番プログレッシヴ・ロックだと感じる作品がこれ
【送料無料】 Pulsar / Halloween <SHM-CD / 紙ジャケット> 【SHM-CD】 彼らはフランスのバンドでデビューは1975年とちょっと遅め 表題のアルバムは1977年リリースの3枚目である この70年後半ってのは1973年のオイルショックでレコード業界も一気にトーンダウンした後でいわゆるバブル崩壊に似た状況だったわけで、その影響からかよりコンパクトで等身大のパンクロックが台頭するなど新しい音楽のムーブメントが生まれた時代だった 更に1977年の『サタデー・ナイト・フィーバー』の大ヒットにより世界中の音楽が方向転換したかのような時代で、70年代前半にピークを迎えたハードロックは完全に死に絶えたと言っても過言ではなかった 無論プログレッシヴ・ロックはその対極にあった故に大御所とされるバンドも音楽性を変えざるを得なかった状況に陥っていた(そんな中RUSHは逆に敢えてプログレッシヴとハードロックを融合させ成功した珍しい例である=ただし1982年にはニューウェイブの影響を少なからず受けてしまいコンパクトな作品が多くなってしまったのは残念) さて、前置きが長くなってしまったが、そんな状況も踏まえて1977年にこれほどのプログレッシヴな作品がリリースされたのはやはりフランスという国が後手に廻っていたせいかもしれない もちろん当のPulsarもこの3rdアルバムリリース後は苦境に立たされインディーズに逆戻りさせられたわけではあるが…… それにしてもこの作品にみる”孤高の存在感”は異常だ とても内向性でじっくりと時間をかけて読むかのような文学的な高尚さがある その内容は非常に耽美で幽玄で、更に言えば不気味さも備え”究極に美しいホラー映画”のような雰囲気さえ抱かせる まるで触れてはいけない世界のようであり危ういボーダーライン上にいるかのような…罪悪感さえ感じてしまう(これらの印象は4面あるダブルジャケットの写真が大いに関係があるが… 下の画像参照) 裏ジャケット 内ジャケットではメンバーがお人形を抱きかかえている(完全にホラー) サウンドはというと見た目に反して素晴らしく美しい! ボーイソプラノの「Halloween Song」(替え歌「ダニーボーイ」としても有名)で幕を開けるがこの作品の冒頭を飾るに相応しい導入部である 続く「Tired Answers」でのメロトロン(フルート)とアコースティック・ギターの調べが交差する哀愁と静寂さがいかにもプログレッシヴな展開である あ、ちなみにこれらのタイトルは『Halloween』という組曲の中でのサブタイトルです 楽曲としてはレコードで言うところのA面とB面(表記は一応Part IとIIとに分かれてはいるが…)合わせて1曲と考えます、一応ね その後も内省的な文学っぽい知的な展開が繰り広げられるのでプログレの経験がない人には恐ろしく退屈な時間が流れるのかもしれない(苦笑) だけど”この部分だけは絶対に聴いてほしい”という部分がある B面2曲目にあたる「Dawn Over Darkness」です 下に貼ったYouTube画面の26:00あたりからですが、泣き泣きの2本のギターからフランス訛りの英語詞によるボーカルが始まると左右に振り分けられたフルート(本物)とエレキギターがボーカルに負けじと歌い始めるんです ゆったりとした3拍子が実に気持ちがいい♪ 後半にはドラムスも入ってきて盛り上げてくれる そこに必殺のモーグシンセサイザーにより分厚いサウンドがアクセントに入り込む 朗々と歌い上げるボーカルとスペイシーなシンセが自由に飛び交う、、、、 目を閉じて聴くと本当にひとつひとつの音がキャンバスの上を絵画のように筆を走らせている 聴けば聴くほど味わいが深まる 【Pulsar / 組曲『Halloween』】 アルバムの最後は教会で賛美歌を聴くかのような静寂で荘厳な世界へと導かれる まさしく”ドラマチック”という言葉が相応しい作品である そんな素晴らしいアルバムが先月25日に再びリイッシューされて発売された 紙ジャケでしかもSHM-CDだ リマスターではないのでサウンドは基本変わってはいないのでボクはちょっとひと安心した このサウンドそのものの世界観は下手なリマスターで変えて欲しくないからね ≪おまけ≫ 実はこの清廉潔白な作品もあまぞんさんにかかるとアダルト商品になってしまうようだ まぁ、、、、、 そう見えなくもないジャケットが悪い(笑) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2018年09月10日 16時29分33秒
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