瀬戸キリスト教会牧師　西風の会代表　堀　俊明　　精神障害2級　(躁鬱病，アルコール依存症）

　私はある社会福祉法人の評議員をしていますが、採用される福祉関係有資格者に意外と県外出身者が多いのに驚かされました。この就職難の時代に県外から職員を採用しなければならない現実に、高知県の雇用政策のミスマッチが表されている気がしました。この法人には県、市から5000万円を遙かに超える税金が投入されていますが、施設維持費を除く支出のほとんどを人件費が占め、障害者の手元には1/10も渡りません。
　障害者自立支援法が施行されましたが、障害者関連施設には、利用者一人当たり月10万円以上の税金が投入されます。グループホームにはその1/2程度が支給されます。さらに、老人の福祉施設が雇用できる介護職員の数もかなりになると思います。いずれにしろ、新たに創出される雇用は、近代化された工場を誘致するよりも多いと思えます。
　高知市の郊外にはまだまだ福祉施設を設置できる余裕があります。10～20年後には団塊の世代が福祉施設を利用するようになるでしょうが、豊かな団塊の世代を高知に誘致できたなら、かなりの雇用が創出されると思われます。
　持てる者と持たざる者との格差は厳然とあるでしょうが、持てる者の富を再配分する施策を高知県は考えるべきでしょう。持たざる者の代表である障害者にこれほどの税金をつぎ込めるのならば、持たざる老人にもかなりのことができると思います。

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