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カテゴリ:外交
北朝鮮が6者会議に復帰するそうです。中国からの圧力に屈したかのように見えますが、北の将軍様はそう簡単には折れないだろうと思います。アメリカの中間選挙を横目で見ながらの取引には、彼なりの勝算があるのかも知れません。
安倍首相は北朝鮮に対する制裁をゆるめる気はないようです。拉致に関してもアメリカのボルトン国連大使も好意的ですから、拉致に対する国際包囲網も強化されてきたといえます。拉致問題を理解する声も国際社会に広がってきています。 昨年に続き北朝鮮の人権状況を非難する決議案が国連総会に提出される予定です。拉致問題は「強制的失踪という外国人拉致に関する未解決の問題」として「国家主権と関係する個人への人権侵害」と表現し、非難のトーンを強めています。 拉致は国家主権を侵した国家犯罪ですから、原状回復が原則です。北朝鮮の元工作員・安明進氏さえ特定失踪者の拉致認定の法廷で、「日本政府は脱北者による目撃情報を生かして、古川さんの拉致認定を急ぐべきだ」と訴えたぐらいです。 日本国には拉致問題を黙殺した歴史があります。公安当局は北朝鮮の工作員の不自然な行動を把握していたのにも拘わらず、総てを闇の中で処理をしてしまいました。事件として立件されることはなく、拉致はあり得ないとしてきました。 革新政党は拉致を反北朝鮮キャンペーンだと主張し、拉致に取り組む人々を非難中傷しました。社会党の村山党首の訪朝でも拉致は全く取り上がられませんでした。政治問題として取り上げられたのは拉致家族の救う会の働きによります。 日本政府、政治家には拉致問題について不作為であった過失があります。日本国民には拉致被害者に対する過失の責任を取る義務があります。国民が拉致されたのにも拘わらず、日本政府には拉致の事実を隠蔽してきた責任があるからです。 団塊の世代である私の脳裏には北朝鮮が「地上の楽園」と宣伝されていた時代の記憶が残っています。マスコミも、学校でも、そう宣伝されていたと思います。金日成に日本中が騙されていたのですが、マスコミ、教師の責任は重大です。 マスコミは北朝鮮批判、拉致批判をしますが、マスコミも北朝鮮と同罪です。小泉前首相の日朝会談がなければ、政治家もマスコミも拉致の事実から目を反らし続けていたでしょう。マスコミが健全な報道を怠った罪は大きいと思います。 日本において拉致問題が放置されてきた原因を明らかにする義務がマスコミにあります。報道の自由を自ら放棄したと思われても仕方がない言動が、マスコミ各社にはありました。自ら自身を検証してから、拉致問題に取り組むべきです。 拉致問題が国際社会に受け入れられるためには、当事国である日本ですら拉致の事実を隠蔽してきた過去があることを認めるべきです。拉致の事実を認めない国に日本の過去を説明し、日本政府が真摯に反省している事実を伝えるべきです。 拉致の事実を認めない国家、認めても消極的にしか動けない国家にはそれなりの理由があります。10年前の日本がそうであったように、拉致を認めては政治的なリスクが大きすぎるからでしょう。日本からの物心両面の援助が必要です。 国際政治の場は正義が必ずしも正義として通用する場ではないでしょうから、日本の外交努力が必要です。拉致が事実であれば個人的には肯定する人はいないでしょうが、国益が絡むと論理的に正しくても通用しない現実があるからです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006/11/01 10:20:23 PM
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