瀬戸キリスト教会牧師 西風の会代表 堀 俊明  精神障害2級 (躁鬱病,アルコール依存症)

2008/07/13(日)20:46

管理のプロが教育委員会を統括せよ

政治(262)

 大分県の県教委の汚職は教員採用だけではなく人事にまで及んでいることが明らかになりました。収賄側の県教委だけではなく贈賄側の校長などにも罪の意識があまりなかったのではないでしょうか。旧来の慣例であったからです。  贈賄側の校長などもおそらく採用される時には親がコネを使い、お礼をしてきたから同じことを子供にもしたのでしょう。少なくとも団塊の世代までは教員試験、公務員試験の成績が良くてもコネがなければ採用されませんでした。  教員の世界では親が教員ならば子供も教員に採用されやすいのは常識でした。親の職業を子供が次ぐのにはメリットもありますが、試験結果を改竄した行為を正当化できません。試験が公正でなければ試験をする意味がないからです。  教員として採用された時や校長に昇進した時には関係者にお礼を持参するのも日本の文化ですが、金額が社会常識を越えています。政治家や職員組合からの働きかけに応えたのが事実であるとすれば、金銭の授受がなくても汚職です。  大分県が特殊だとは思えません。よその県でも大なり小なり同じことが行われていると思われますが、試験結果の改竄まで行ったのは例外かも知れません。問題用紙を試験会場で回収したのは証拠の隠滅を図ったものと考えられます。  情報公開の時代にはデーターの改竄は重罪ですが、日本ではそれほどの罪には問われません。欧米ではノーコメントは許されますが、嘘をつくことは許されません。法廷、議会での偽証は重罪ですし、社会からは抹殺されるからです。  試験結果の改竄は常軌を逸しており、100点以上もかさ上げされた者もいるようですし、合格点を引き下げるために減点された者もいます。採用試験は教員採用が公平に行われているかのように装うためのポーズとしかいえません。  教員の世界はギルド、中世ヨーロッパの同業者組合のように見えます。親から子供に職が引き継がれるのを当然だと思っているからです。教職員が特殊権益集団と化しているのです。身内のもたれ合いが常軌を逸しているからです。  競争社会は誰でも平等にスタートラインに立てることが前提にされています。個人の能力が正当に評価される機会が保障されなければ社会は停滞します。氏素性で職が決まる社会は封建時代に逆行していますから、制度改革が必要です。  教育改革が叫ばれている時代に教員の世界が前時代的なのには驚きました。子供たちを試験し、評価する教員自身が公正な試験、公正な評価を歪めているのですから、学校で教えられることは建前だと証明しているようなものです。  子供を公立学校ではなく私立学校に入学させようとする親が多いのも当然です。格差社会が教育格差を招き、教育格差が格差社会を作り出すのは公教育のレベル低下にあります。日本の教育神話が足下から崩壊し始めているからです。  教育委員会の制度改革が必要です。教職員だけの社会が特殊権益集団を構成したのですから、教員委員会の管理部門には教員以外の人材を配置すべきです。管理部門と教育部門とを分離し、管理のプロが教育委員会を統括すべきです。

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