瀬戸キリスト教会牧師 西風の会代表 堀 俊明  精神障害2級 (躁鬱病,アルコール依存症)

2008/11/24(月)20:35

日本の教育は民主主義というドグマに冒されている

教育(42)

 小学生の暴力行為が目立つようですが、親から叱られた経験がない子供が増加していることが背景にあると思われます。家庭内暴力は言語道断ですが、躾としての暴力すら否定される現在の親子関係、師弟関係には問題があります。  教育現場が常識から逸脱している子供にペナルティを課せば社会問題化し、制裁を課せられた子供が一方的に被害者にされてしまいます。良識ある知識人の理想論が教育の現場から乖離した観念だけのユートピアを創り出すからです。  入学試験に臨む受験生に最低限のマナーを求めた校長が左遷されましたが、現場の教員、生徒、父兄から反対運動が起きました。知事は現場の声に理解を示したように思えましたが、教育委員会は頑なな姿勢を崩そうとはしません。  子供に対して毅然たる態度を取れる者が少なくなりました。教員の多くは子供に対して恐怖感を抱いているからです。子供を叱れば自らの身が危なくなるからです。子供と親との立場、教師との立場が主客転倒しているからです。  中国では国策として一人っ子政策が取られましたから、子供たちは皇帝のような扱いを受けているそうですが、日本では皇帝か奴隷か、いずれかのようです。親子関係が根本から破壊されていますから、普通の関係が保てないのです。  子供は大切にされ過ぎれば増長しますし、虐待されれば怯えますが、朝食と夕食を一緒に食べれば大概なことは解決するものです。さらに一緒に風呂にでも入れば文句なしです。親子の間にスキンシップがあれば問題は起きません。  現代は団塊の世代の子供の子供ですから、社会常識に欠けている面はおおいでしょう。特に個人主義、利己主義の行き過ぎがあります。自分だけ良ければ良いというのが彼らの考え方の基礎にありますから、矯正する必要があります。  父兄に社会常識がないのが一番の原因なのでしょうが、教育もそれに追随しました。体罰の禁止、ジェンダーフリーなどは常軌を逸しています。躾には体罰が必要不可欠だからですし、男女は異なる扱いをされる権利があるからです。  ニューヨークではゼロトレランス、非寛容政策をとりました。規則を破った者は誰でも平等に厳罰に処せられるようになってから、秩序が取り戻されたそうです。限度を超えない体罰、ピンタの一発ぐらいはむしろ奨励すべきです。  子供の内から社会の秩序を破れば社会から排除されかねないことを体験させるべきです。戦前のような滅私奉公には反対ですが、大学合格から入学までの間にボランティアなどの自主的な活動をさせる時間と機会を与えるべきです。  教育は自動車をベルトコンベヤーに乗せながら造るような訳にはいきません。子供の様々な可能性を引き出してやらなければならないからです。生産ラインから出てきた自動車は様々な形をしており、様々な性能を持っているからです。  日本の教育は民主主義というドグマに冒されています。悪平等主義が能力の差を認めようとしないからです。子供の時から能力の差を実感させるのが本当の教育です。子供の時から能力に応じた職業を考えさせるのが教育だからです。

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