ノーベル平和賞、地球温暖化対策を急げ
非営利団体「気候保護同盟」の中心的メンバーであるゴア元副大統領、国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)がノーベル平和賞を共同受賞しました。ノーベル賞委員会の地球温暖化に対する危機感が異例の受賞に繋がりました。 地球温暖化は否定のできない事実として国際社会が合意していますが、政治の対応の遅れは悲劇的です。ゴア氏は講演会を重ねることにより、先ずアメリカ市民を啓発し、アメリカの民主主義を正常に機能させようとしました。 世界一の炭酸ガス排出国のアメリカ、世界経済の中心地アメリカから変わらなければ世界は変わりません。地球温暖化対策が大統領選の争点になれば、アメリカは変わるかも知れません。世界がアメリカの動向に関心を寄せています。 洞爺湖サミットでは地球温暖化が重要な議題になるでしょうが、ノーベル賞の受賞が情勢を変えるかも知れません。政府間パネル(IPCC)は地球温暖化に対する対策が施すされなければ、時機を逸する可能性があると警告しています。 政府間パネルは政府関係者だけではなく、各国を代表する科学者たちが参加している国連機構です。既存の研究を調査・評価し、政策立案者に対し政策の提言ではなく、助言を行うのが目的ですから、政治の取り組み方次第です。 IPCCは環境の保全と経済の発展が両立する社会では、21世紀末には気温が1.1~2.9℃、海面が18~38cmの上昇しますが、化石燃料を重視する社会が続けば、気温は2.4~6.4℃、海面が26~59cm上昇すると予測しています。 気温の2℃上昇は科学が予測できる範囲を超えています。地球のエネルギー代謝が根本的に破壊されかねません。異常気象が続き、砂漠化が進むでしょう。食料だけではなく、飲み水さえなくなりますから、難民が何億人もでます。 アフリカ、アジアでは難民の急増に加えて、感染症が蔓延するでしょう。食糧自給率の低い日本では食料が高騰するでしょう。お金さえ出せば何でも手に入る社会は崩壊するかも知れません。国際社会はカオス、混沌に陥ります。 炭酸ガスの排出量を半減させれば、安定成長が可能だと予測されていますから、先進国には排出量を率先して削減する義務があります。炭酸ガスは国境を越え、地球全体に拡散しますから、一国でも削減しなければ無意味なのです。 炭酸ガスを急激に減らすためにはエネルギー源を化石燃料から原子力、自然エネルギーに転換するのを急ぐべきです。次に、省エネ、リサイクル技術を先進国から発展途上国に移転し、地球に優しい社会を造り上げるのが肝要です。 焼き畑農業、伐採により、森林が激減していますから、排出権取引により、森林に付加価値を付けることが必要です。グローバリゼイションにより貧しい国から資源が富める国へ一方的に流れ、産業廃棄物だけが残されています。 産業廃棄物は国境を越えませんが、炭酸ガスには国境は関係ありませんから、先進国も運命共同体なのです。宇宙船地球号の乗員は地球号が難破すれば全員が海に投げ出されますから、一国の経済優先主義が人類を滅ぼしてしまいます。