親方衆の意識改革が必要である
相撲協会の北の湖理事長が引責辞任し、武蔵川新理事長が誕生しました。大相撲の不祥事は際限なく広がりました。大麻事件は大麻の不法所持は違法ですが、使用は罪に問われないようですから、二人の関取の解雇は厳しすぎます。 他のスポーツの例からすれば、ドーピング違反の初犯は一年間の出場禁止ぐらいが妥当な線ですが、北の湖理事長の対応のまずさが事態を拡大させてしまいました。相撲界の常識は世間の非常識と言われても仕方がありません。 相撲界は実力の世界でしょうが、名横綱が名理事長とは限りません。相撲界に外部の声を反映させるためには相撲界以外から理事を招聘するしかありません。世間の常識を反映させなくては相撲は国民から見捨て去られるでしょう。 柔道が国際化した結果は一本勝ちが少なくなり、レスリングのような点取りゲームのようになりました。日本式の礼に始まり礼に終わる武道は国際的には通用しなくなりました。外国人力士には心技体が理解できないのでしょう。 横綱曙、武蔵丸までは外国人力士の方が下手な力士より力士らしかったのですが、最近の外国人力士の行動は目に余ります。相撲界は徹底した実力社会ですから、番付が上がれば増長してくるのはむしろ自然の成り行きでしょう。 親方には力士は子供のようですから、厳しくしつける必要があります。彼らが相撲会に入ったときにはまだ未成年ですから、日本流に鍛えることができるはずです。武庫川親方が横綱武蔵丸にも厳しく対応したようにできるはずです。 北の湖親方も厳しい下積み生活を送ったはずですから、力士にも厳しく対応すべきでした。力士の不祥事を総て親方の責任とし、他人事のような態度をとり続けたから、力士が増長したのです。当事者意識の欠如が常識外れでした。 しかし、世間の逆風に迎合するのも常識のなさの現れです。ドーピング違反にも国際的な基準がありますから、国際標準にあわすべきです。ロシアでは大麻は麻薬の内に入らないようですから、初犯には情状酌量の余地があります。 親方に責任をとらせずに一方的に力士生命を絶つのは公正ではありません。北の湖が理事から解任されないのならば弟子もイエローカードで済ますべきです。大麻事件はドーピングを導入しなかった相撲界側にも責任があるからです。 プロスポーツにもドーピングが常識になりましたから、ルールを明確にすべきです。相撲協会も外部理事を登用し、運営と現場を分けるべきでしょう。プロ野球のコミッショナーような公平中立な立場に立つ職制を考えるべきです。 相撲は国技ですから様々な伝統があります。時代遅れのものもずいぶんありますが、日本人が守るべき伝統でしょう。歌舞伎が世界遺産だそうですから、相撲もそれに匹敵します。子々孫々まで守り続けていくべき伝統です。 国際化は時代の要請ですが、守られるべき伝統が守られなければプロレスと変わりません。親方衆の意識の国際化が遅れているから、外国人力士には守るべき伝統が理解できないのでしょう。親方衆の意識改革が先ず必要です。