中国の宴の後が心配である
中国は北京オリンピックで沸き上がっています。東京オリンピックを思い出しましたが、街中に自動小銃を抱えた警察官が配備され、ミサイルが空を睨んでいる光景には違和感を覚えます。テロリストが跋扈する時代ですが、過剰な警護体制のように思えます。 日本、韓国でのオリンピックも高度成長の最中にありましたから、中国国民の高揚感には共感できる面が多くあります。中国の高度成長のスピードは前代未聞ですから、社会に歪みが起きるのも当然です。腐敗社会、超格差社会も中国の重要な内政問題です。 しかし、チベット人、ウイグル人の独立運動に対する弾圧は国内問題ではなく人道問題です。中国には少数民族が多数存在しますが、中央政府は漢民族への同化を目指しています。少数民族の固有の文化を否定する姿勢は文化的なジェノサイド、大量殺戮です。 四川省の地震は天災でしたが、被害が拡大したのには人災の面もありました。おから工法ともいわれる手抜き工事で造られた学校が崩壊し、大勢の児童が生き埋めになりました。日本のオリンピック時代に突貫工事で造られた高速道路にも欠陥があるようです。 東京も再開発され、見違えるようになりましたが、強制退去までは行いませんでした。中央政府の自由主義社会ではあり得ないような強権発動が世界のマスコミに取り上げられていますが、実態は想像以上でしょう。世界標準から離れた異質な国のようです。 沿岸地方の発展は想像を絶するようですが、内陸部の貧しさも想像を超えるようです。パイを先ず大きくするのがトウ小平の先富論なのでしょうが、切り分け方があまりにも不公平なようです。アメリカを超える超格差社会は社会を不安定にしているようです。 北京オリンピックは様々な矛盾を抱えながらも経済大国に成長した中国の象徴だといえます。国際社会からは中国を批判する声も上がっていますが、オリンピックはお祭りですから盛り上がればよいと思います。むしろ宴の後の中国の行き先が心配なのです。 オリンピックの政治利用に批判が集中していますが、ベルリンオリンピック以来開催国は大なり小なり政治利用をしました。東京にオリンピックを招致するのにも政治利用の側面があるからです。オリンピックが国威発揚の場であるのは世界の常識だからです。 北京オリンピックを目指して整備されたインフラは中国の貴重な財産ですから、それが活用される社会になるのが望まれます。アメリカのバブル崩壊の次に中国のバブルが弾けたら世界同時不況に陥りかねませんから、中国経済の軟着陸が期待されています。 バブルは必ず弾けるものですから、被害を最小限に止めなければなりません。中国の現状はかつて日本が体験したバブル時代と似ています。永遠に続くかと思われる好景気の裏で公害が広がっているからです。中国が世界のゴミ捨て場になっているからです。 水不足は深刻のようです。飲み水には相応しくない水を飲まされいる国民が大勢いるようです。人間、資源が都市に集中し、地方は疲弊しているようです。世界中から資源を買い漁り、世界に原材料高をもたらしていますから、最貧国にまで資源が回りません。 ロシアとグルジアが交戦状態に陥りましたが、中国も台湾を武力併合しようとしています。オイルマネーで潤うロシアの大ロシア主義、世界の工場として外貨準備高世界一の中国の中華思想が国内の勢力を外に向けようとしていますから、注意が必要です。