音楽、間にあわなかった。
昨日10月4日水曜日風邪が一段とひどくなったが、朝から現場廻りをして、遅めの昼食をとっていた。寝たきりの父にCDを聞かせたくてプレーヤーを車に積んで移動していた。しかし、あまりのせきで、風邪をうつしたら大変だと思い、病院にしばらく行けなかった。食事が終わって席を立とうとしたら携帯が腰の辺りで震えた。聞き慣れない女性の声が聞こえた。楽楽さんの携帯ですか?お父様の容態が急変しましたのですぐ来ていただけますか?何分くらいかかりますか?すぐにご家族に連絡してください。覚悟はしていたがあまりの急さに驚く。虫が知らせたのか食事をしていた場所がたまたま父の病院まで300メートルほど。10分以内に参ります、と言って電話を切ってレジへ。コインパーキングに車を移動し小走りで病院に向かった。ワイフと息子たちに急を知らせる電話をしながら。父はベットで変わった様子はない感じでいつものように横たわっていた。口には酸素マスクが付いているくらい。待っていたかのようにしばらくして心臓が止まった。がんばれーと声をかけたが反応はなかった。心臓をたたくと一時的には不整脈みたいな反応がモニターに出ては来るがすぐ横一直線になる。ピーという連続音と共に。ドクターと打合わせして家族の到着を待つことにした。ドクターと看護師が部屋から出て父と二人きりになった。不思議と涙は出なかった。あちらこちらなでながらおじいちゃん、永いことありがとう。おばあちゃんのことは、まかせて。と耳元でささやいた。ベットがゆれるたびに生きている感じがした。45分くらいで皆、到着した。父は安らかな顔をして目を開けてまっていた。91歳。悔やまれるのは、好きな音楽を聞かせてあげれなかったこと。前日顔を出せばよかったのに。このあと、葬儀社さんと打合わせ開始。入院中の母にすぐ言うべきか悩む。一夜明けて今日5日、朝一番に母に報告した。母は一瞬呆然としたがポツリと言った。そばについていてあげられなくて悪いことをしたと・・・。60年間の重みを感じた。