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ある内科医の独り言

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2005.02.03
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病院を変わることを転院というが、一般には入院中の患者さんに対して使う言葉のように思う。外来患者さんの場合は転医という場合が多いように思うのだが、まぁ言葉の定義はここではさておき、転院について書いてみたいと思う。

僕の勤めている病院は主に二次救急を担当することになっている。これは建前で、実際には風邪引きから集中治療が必要な患者さんまでいろんな患者さんがやってくる。二次救急というのは主に入院が必要な患者さんをみていく場であり、外来通院で大丈夫な救急は一次救急と呼ばれる。二次で手に負えなければさらに高度な医療施設を持った三次救急病院へ、ということになる。たとえばウチの病院には透析設備が簡易でしか備えられていないので、白血球除去などの高度な透析や維持透析を要する場合は三次救急病院へ移って頂くことになる。

先日、一人暮らしの急性胆嚢炎のおじいちゃんが入院してきた。発熱や疼痛、画像および採血などの炎症所見などから内科的治療の対象になるものと思われた。すぐさま絶飲食とし、抗生物質の投与や補液など保存的加療を開始した。発熱は徐々にではあるが低下し、採血の結果も同様に改善してきた。しかし疼痛は相変わらず残存し、いつ回診しても苦悶用の表情であった。鎮痛剤などでいったん改善するものの、すぐにまた疼痛を訴える、そういった繰り返しだった。生理食塩水の筋注で改善するなど詐病っぽいこともあったが、痛みは本人にしかわからない苦痛であるから対処は難しかった。

入院して1週間後、飛行機で2時間ほどフライトしなければならない遠方に住んでいるという家族がやってきた。家人に病状を説明し、現在までの経過や今後考えられる病状などを話した。いったんは納得した家族だったが、その後急に「三次病院へ転院させてほしい」と言われてしまった。病状の経過からすればウチの病院でも十分に対処できる状態であると思われただけに少々ショックだった。結局市内の大病院の消化器担当の先生と電話で話し転院を快諾して頂いた。

家族とのコミュニケションが足りなかったからなのか、単に家族の心配がそうさせたものなのか、どちらとも付かぬ後味の悪さだけが残ってしまった。いったい僕の役割は何だったんだろう、そう思えることが最近多い。別にそのおじいちゃんにこだわっているわけではないのだが、医療上の正当な理由でならともかく「家族の希望で高次病院へ搬送」というのはなんとなく違和感がある。中途半端な二次病院ってこんなものかなぁ、と思いつつ第2第3のおじいちゃんが出ないことを祈っている。






最終更新日  2005.02.03 09:11:52
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