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ある内科医の独り言

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2005.06.14
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なんか、yamakaw先生とかザウエル先生みたいな立派な先生にちょっとリンクを張っていただいたようなので緊張気味。

さて、前回も書いたように医療資源は明らかに有限だ。物的資源に事欠く場合もあれば人的資源に事欠く場合もあり、そのシチュエーションは様々だが、現在あちこちで取りざたされている医療問題のほとんどは人的資源の有限性に起因しているのではないかと考えている。

医師は国家が認定する資格職である。従って認定されなければ医業を行うことはできない。しかも認定にあたっては原則として医学部を卒業した者(医師法第3-11)でなければ試験を受けることができないため、当然受験資格を持つ人間は限られてくる。これがよく比較に出される司法試験とは異なる部分で、裏を返せばその年に医学部に入学した人数がほぼそのまま医師になりうる人数ということになる。つまり医師数のコントロールは医学部入学者数のコントロールをすれば事足りてしまう。

実際には医師国家試験に合格せず、ひたすら浪人を続ける方や、合格したものの直接資格が必要ない職についたりする場合もあったりで、皆さんが思い浮かべるような「現場のお医者さん」はこうした人数よりも1割くらいは少ないと見積もった方がいいような気がする。きっと厚生労働省とか、そうしたお役所関係が統計を取っていると思うのでググってみるのもよいかもしれない。

お役所はなんと言っているのか興味がないけれども、僕の周りでは医師数が足りているとはとても思えない。次から次へと来る患者さんに対して疲労困憊する同僚の先生たち。テレビドラマでは「じゃ、お先に~」なんてシーンがあるかもしれないけれども現実はそんなことは全くなし。患者さんが来ると言えばじっと辛抱して待ち続けることが本分だと先輩に教えられてきたしそうしてきたが、待てど暮らせどなしのつぶてという患者さんもいたりする。

病棟を回診すればいったい何冊あるんだろうというカルテの山、山、山。おまけに季節柄か医療要否意見書なんていう保護申請の書類や、退院してからも各種生命保険や公的保険の書類書き、退院サマリーや入院サマリー。近医へかかるなら紹介状が必要だし、時には難病申請もしなくてはならない。月初めには病名チェックのための分厚いレセプトの束が目の悪い僕をさらに痛めつけ、書痙になってしまうんじゃないだろうかというくらい理由書や顛末書なんかも書かされる。

これが患者さんにとって必要なものだと頭ではわかっていても、直接患者さんを診ているわけではなく充実感も乏しい。書類だけで患者さんが治るなら楽な稼業に違いない。

書類一つをとってみてもこんな感じだ。ましてや外来や入院患者さんを目の前にしてできることなど限られてしまっている。研修医の頃は体力や気力、そしてひとかけらの良心を信じてがんばっていたが、研修医を終え市中病院へ放出されるとそうしたがんばりも衰え、惰性が原動力となっている自分に気づくようになった。

チーム医療?そんな夢のようなマンパワーなどここにはない。外科のようにみんなで手術をするといった「団体競技」がないためか、内科は「個人競技」に走る嫌いがある。僕の周囲ではこうした傾向がさらに加速してしまっているのだろうが、ほぼ行き詰まってしまっているこの環境ではチーム医療など夢のまた夢となってしまっている。

たとえば5名の内科医がそれぞれ10人ずつの入院患者さんを診ていると仮定する。合計50人だ。この50人を5名の「内科チーム」で診るとすれば、計算上の労力としては1:10と先の完全主治医制と変わりないかもしれないが、実際の感覚としては1:9ぐらい、あるいはもっと少ないものになる。少なくとも大学でICUやHCUをしていた頃はそんな感じだった。

病院を統廃合しマンパワーを集結させればいいのは十分にわかっているのだが、しがない一内科医ではどうすることもできない。ただただ激動する医療情勢の波にもまれ海の藻屑と消え去っていってしまうような気さえする。こうしたマンパワーを効率よく運用するための指針作りは本来行政の仕事ではないかと思うのだが、いろんな権益が絡み合っているなかではそうたやすくもいくまい。

病院を批判するのはたやすい。医師を批判するのもたやすい。そして病院や医者をつぶすのに力業など必要ない。ちょっとばかり足下をすくえば、あっという間に信用はガタ落ちになり勝手につぶれていく。

しかし覚えておいた方がいい。あちこちで喧伝されるような批判ばかりでは医療情勢はちっとも良くならないことを。別に「褒めまくれ」というわけではないのだが、病院にしても医師にしても「誇り」や「自信」が欠けているのは確かだと思う。

いくら技術が進んでも、最終的に患者さんと関わるのは一人の人間である。細分化された医療になってもそれは同じこと。ヒトを治すのは結局ヒトであり、決して機械ではない。ヒトによってしか治し得ない病気に最適なヒトの力をどう配分していくのか。自分なりの答えなど見つかりそうもないが、それでも探そうと努力はしてみるつもりだ。







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最終更新日  2005.06.14 14:46:56
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