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ある内科医の独り言

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2005.11.02
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朝夕はすっかり寒くなった。紅葉はそれほど進んでいるわけではないけれども体調を崩す人はずいぶん増えた。それに伴い外来も急性期疾患の人が増えてきたように思う。皆さんも体調管理には十分なご配慮を。

閑話休題。

最近、ウチの病院が柄にもなく機能評価Ver.5を受けるという。

機能評価とは『財団法人日本医療機能評価機構』が行っている審査制度のことだ。詳細はそちらのページを参照していただくとして、手っ取り早くいえば病院の格付けに当たる。まぁ病院業界のミシュラン、といったところか。

なかなか表には出てこない病院の組織構造や理念などといったことから、医療機器や医薬品などの配置までおおよそ考えられるすべての項目にわたり何段階かの評価がなされ、その総合評価によって認定が許可される。

スタッフの教育はもちろんだが、近年では個人情報保護法が制定されたこともあり患者さんのプライバシーにわたる微々たる部分にまでチェックが入る。Ver.5はもっとも最近制定された評価段階で認定されれば最高の評価となる。三つ星とか五つ星、そんな感じだ。

で、ウチは数年前にVer3の認定を受けている。来年その認定期間が切れるのでさらに上の評価をねらおう、という機運となったようだ。

院長を始め事務長や看護師はもちろん、会計担当や警備担当までほぼすべての職種に誰かしら代表が存在し、部門別リーダーとなっている。こうしたリーダーたちを集めた会議(リーダーだけでもその規模は数十人だ)が先日行われた。

僕はなぜか病棟診療に関する担当を仰せつかったので、その会議に出席したのだが正直勘弁してくれといった感じだ。

その理由はマンパワーの少なさだ。

事務職や看護師などは十分な数が配置されているのに、内科の医者といったらその少なさは院内でもダントツだ。タダでさえ日常業務に追われているのにこれ以上一体何をしろというのか小一時間ほど問いつめてみたい(笑)

機能評価の項目一覧が書かれた冊子だけでも職業別電話帳2~3冊分はゆうにあると思われ、こんなモノいちいち検討していたらいくつからだがあっても足りない。

そしてメリット。

会議に出席した別のDr.から「これだけ多大な犠牲を払ってまで評価を受ける理由は何ですか?」と事務長らに問いただした。すると

正直申し上げまして我々には何のメリットもありません。ただ、患者様(←様付けはいい加減やめてほしいのだが)の権利やプライバシーが叫ばれている現在、必要なものだと考えております。また、すでに決まったことですので関係者各位には是非協力を……云々

といった返事だった。「すでに決まったことですので」というあたり、いかにも事務系役人といった感じの返答でますます納得がいかなくなった。

あらかじめ断っておくが、僕は評価自体を否定しているわけではない。評価自体は結構なことだと思う。患者さんへの病院内情を知らしめるいい機会であり、それだけの価値も十分にあるだろう。

しかし、評価を受審するに当たってスタッフに様々なしわ寄せがやって来るというのはいかがなものだろう。それこそがまさしく患者さんへのマイナス面とはならないのだろうか?

背伸びするような機能評価受審はやめておいた方がいいように思う。できる範囲でやって一体何が悪いのだろう。いい評価がついたからといって、患者さんには何のメリットもない。あるとすれば多少の安心感ぐらいだ。

先の発言にもあったが、そういった評価だけをありがたがる人たちが病院の運命を左右しているなんて僕には信じられないのだ。

評価は自然についてくる。Ver.5の評価に値するような病院になったときこそ胸を張って受審すればいい。本末転倒な上層部を見て、ボチボチこの病院を辞めなたほうがいいかなぁ……と思い始めている。





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最終更新日  2005.11.02 15:52:28
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