000000 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

ある内科医の独り言

ある内科医の独り言

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

プロフィール

どくちる

どくちる

カレンダー

日記/記事の投稿

フリーページ

キーワードサーチ

▼キーワード検索

2005.12.22
XML
カテゴリ:カテゴリ未分類
来年度の診療報酬が減額されることが決まった。すでにマスコミ各紙で報道もされたし「まぁ安くなるならいいんじゃないの」ぐらいの捉え方しかされていないからか、あまり問題にはなっていないようだ。

診療報酬というのは、公的保険を使って検査や投薬・手術などを受ける際に必要な金額のことだ。我々が行う医療行為はすべて「1点=10円」の点数が付けられており、その点数に対し患者さんから直接頂く一部負担金(貴重な現金収入だ)と加入先の保険組合から頂く補助分とが支払われる。

本当はもっと複雑な支払い体系が存在するのだが、おおざっぱにいえば上記のような方法でお金は流れている。

「人の不幸な事態なんだからお金を取るなんてけしからん」という意見もあるようだ。確かにそうだろう。だいたい人の不幸で飯を食っているなんていうのは病院と葬儀屋とお寺やお墓関係くらいのもので、不幸が発生しなければどうしようもない。

消防や警察なんかも不幸の処理に当たることが多いが、彼らは一定の給与体系に組み込まれている公務員な訳で、火事や救急や事件にいくら出動しようが若干の手当は付くものの給与自体はそれほど変わらないはずだ。

しかし、動的な要素のある病院は別だ。患者さんが多ければ多いほど収入は上がるし、逆に少なければ収入は下がる。下手をすれば倒産という事態にもなりかねない。

公的保険により医療行為にはすべて点数が付けられているわけだが、これは全国どこの病院でも同じ。どんなに田舎の診療所だろうが、大都会の最先端医療であろうが保険収載されているものは皆同じ値段となっている。従って、同じ医療行為をしている以上その収益にはほとんど差がつかず「数」で勝負せねばならない場面が多い。

必死になって患者さんを確保している病院もあれば、もうどうでも良くなってしまったような病院まで様々な病院があるが、一生懸命努力した結果、根本の診療報酬が減額されてしまえばどうしようもない。3%の減額が決まれば減額分の3%を何とかして利益を上げなければならないのだ。

患者さんの数を増やす病院もあるだろう。やや高額な医療に切り替える病院も出てくるだろう。職員削減も当然だ。一番給料が高いと思われる医者の数を減らす病院も出てくるかもしれない。

いずれにせよ、患者さんにはあまり利益がない。患者さんが増えれば待ち時間が増える。高額な医療に切り替えられれば負担が増える。スタッフが減ればサービスの低下が懸念される。

確かに、公的保険はすでに沈没寸前の大型船のようなものだ。そして近い将来、必ず沈没するだろう。どうすればこの問題を回避できるのか、残念ながら結論は出ていない。

ただ、今回の診療報酬切り下げが増大する医療費にブレーキをかける目的であるとするならば、あまりいい回避方法ではないように思われる。それよりはむしろ、「患者さんをいかに減らすか」を主眼にした計画をくんでみてはどうだろうか。

「頭が痛いのでMRIを撮ってほしい」と引き下がらない患者さん
「2週間くらい前から感冒症状で……」と夜中に来る患者さん
「しんどいので」とためらいもなく救急車を呼び、搬送されてきたとたんスタスタと歩いてくる患者さん

医療費の内訳はあまり知らないが、こうした「もったいないよなぁ」と思いつつ診察している患者さんにも相当額の保険が使用されているはずだ。かかりつけ医の必要性が叫ばれて久しいが、残念ながら患者さん達に浸透しているとはとても言い難い。

あまりにも複雑になってしまった医療圏・増大する患者さん・ミスなどなくて当たり前の100%の医療……こうした諸問題をさらに面倒にしているのがこうした診療報酬だ。もうこの国の医療情勢はどうにもならなくなっているようだ。

それでも日は昇り、患者さんは来る。

医療者側も患者さん側も双方納得できる医療が実現可能なものかどうか、この診療報酬改訂は大きな鍵を握っているような気がする。

人気blogランキングへ←クリックしていただけると励みになるかもしれません(^^;;


http://ranking-blog.net/dr/rl_out.cgi?id=dr011&url=http://ranking-blog.net/dr/html/index.html





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2005.12.22 15:09:29
コメント(2) | コメントを書く


お気に入りブログ

前向きに生きよう! ちぇりー1121さん
ココロツブヤキ ごまな=manaさん
人間について研究中  セルフケアキネシオロジーさん
スマイル上原の泣き… スマイル上原さん
尾張西クリニック … 尾張西クリニック院長さん
人気整体師の患者へ… タッチフォーヘルス・バランス調整法さん
グリザベラの館 グリザベラ4163さん
お気楽専業主婦~怒… キティ7171さん
ママのひとりごと bouge-tsuさん

コメント新着

坪野和子@ Re:コンサバ(08/13) 海外からの退院証明書の翻訳ボランティア…
一般人@ Re:55歳で医学部受験、その先には……(07/02) その年齢で受かった方が社会にはマイナス…
しろ(人間・♀)@ 電子カルテ はじめまして。 昨日より、私の職場は電…
腰痛アドバイザー@ 腰が痛いのは、辛いですね。 腰が痛いのは辛いものです。 私も14…
医者の娘@ Re:医師過剰は本当なのか(05/17) 私の父も風邪は病気のうちに入らないとい…

© Rakuten Group, Inc.
X