勘定の動きから見る説明の是非
安倍氏の国葬に関して「118回も虚偽答弁したのに」と反対するのがいるようなので、これについて考えててみたいと思います。この118回の虚偽答弁、正確には「桜を見る会のいわゆる前夜祭(前日の夕食会)に関連し、①事務所の関与の有無、②明細書の有無、③差額の補填の有無について答弁した回数」とのことですね。では、当初の説明と修正後の説明を勘定の動きで説明してみたいと思います。当初の説明だと確か「事務所は関与していない、明細書はない、差額は補填していない」でしたね。例えばですが、事務所が100人から一人当たり5000円を徴収し、それをホテルに支払った場合、勘定としては次のとおりとなります。・徴収時現金(資産勘定) 500,000 |仮受金(負債勘定) 500,000・ホテルへの支払時仮受金(負債勘定) 500,000 |現金(資産勘定) 500,000「補填が無い」の説明に則るならホテルへの支払いは50万円で完了となります。徴収時とホテルへの支払いについて、徴収時に現金を受け取っても、それは当然ながら事務所の収益とはなりませんので負債勘定に入金する処理をし、またホテルへの支払も事務所の支出ではありませんから負債勘定からの出金となります(飲み会で事前に集金しても収益にならず、会計時に支払っても自己負担分以外は支出にならないのと一緒です)。そして、徴収時と支払時で比較すると現金(資産勘定) 500,000 |仮受金(負債勘定) 500,000仮受金(負債勘定) 500,000 |現金(資産勘定) 500,000相殺する形となりますので、勘定の動き自体は「無かったこと」になります(明細は残るので金の動きは追えますけどね)。修正後の説明の場合、実際にホテルへの支払いは一人当たり20000円であったとしましょう。徴収時については当初の説明と同じく・徴収時(合算です)現金(資産勘定) 500,000 |仮受金(負債勘定) 500,000となるのですが、ホテルへの支払いは200万円となるので次のようになります。仮受金(負債勘定) 500,000 |現金(資産勘定) 2,000,000??? 1,500,000 |徴収した金額は50万円である以上、差額(???としたところです)を何らかの勘定で埋めなければなりません。本来であれば仮受金(負債勘定) 500,000 |現金(資産勘定) 2,000,000経費(損失勘定) 1,500,000 |つまり修正後の説明のように「事務所の支出として収支報告に計上し、説明もまた補填があった(同時に事務所の関与もあった)」となるべきだったのですが、実際には仮受金(負債勘定) 500,000 |現金(資産勘定) 2,000,000仮受金(負債勘定)1,500,000 |つまり仮受金(負債勘定)2,000,000 |現金(資産勘定) 2,000,000このように処理していたと考えられます。金額を見せなければ「仮受金で受領して、そのままホテルに支払った」つまり当初の説明通りとなりますからね。ただ、徴収時と比較すると現金(資産勘定) 500,000 |仮受金(負債勘定) 500,000仮受金(負債勘定)2,000,000 |現金(資産勘定) 2,000,000ですので、相殺しようにも仮受金(負債勘定)1,500,000 |現金(資産勘定) 1,500,000が残ります。検察も恐らくは「仮受金の入りと払いで金額が違うけど、それは何故?」として説明を求め、そこから事務所の説明の虚偽が発覚したのでしょう。さて、補填(上述で言うなら150万円)の原資は確か「事務所に請求書が届く、本来故安倍氏が支払うべき租税等のための金」とのことでしたが、これについても勘定で説明しますと(例)安倍氏から租税等用のためとして現金200万を受領した現金(資産勘定) 2,000,000 |仮受金(負債勘定) 2,000,000(例)安倍氏宛の請求50万が届いたので、先に受領した200万円から支払いした仮受金(負債勘定) 500,000 |現金(資産勘定) 500,000当然ですが、安倍氏から現金を受領してもそれは事務所の収益ではありませんし、安倍氏負担の請求を処理しても事務所の支出ではありませんので、全て貸借勘定上の処理となります。ここまで説明してみましたが、大体の方(というかアベガーと騒ぐしか能のないバカどもを除けば)これで理解できるものと思います。そして、本件における安倍氏側の説明が事実か否かについては貸借勘定を追うことで判明し得ること、アベガーで騒ぐバカどものように「領収書ガー、虚偽説明ガー」と念仏唱えても何の解決につながらないことについても理解できるものと思います。ちなみに、修正後の説明における原資について、仮に「勘定の動きを見てみたら、毎月10万円入金なっているのに、桜の会の前後だけ何故か100万円入金なっている」とするなら、それをトリガーに「桜の時期だけ異常に入金額が大きいけど、それは何故?」と聞くことで『実は補填の必要を安倍氏自身も把握していたのではないか?』とできた可能性もあるわけです。ただ、検察が不起訴にした、ということは不審な点、異常値の類が見つからなかったと推測できますけどね。ぶっちゃけますけど、勘定の動きも理解できずに未だ「118回の虚偽説明ガー(しかもその実は3回の質問の繰り返しの結果)」と騒いでいる時点で、単に印象操作したいだけでしかない下種であるとしか言いようがないですね。以下は余談です。某山尾のように「事務所全員で飲んでも確実に致死量となるほどのコーヒー代を計上した」「地球数周分のガソリン代を計上した」なんて話がありましたが、これも勘定で説明してみましょう。例えば、リッター150円のガソリンを50リットル購入したのを、領収書を改ざんして5000リットル購入したとすると・本来の勘定経費(損失勘定) 7,500 |現金(資産勘定) 7,500・領収書改ざん時の勘定経費(損失勘定) 750,000 |現金(資産勘定) 750,000ただ、実際には7500円しか払っておりませんので、差額742500円については現金の有高を確認すると改ざんが発覚することになります(そもそも購入量自体が異常値と指摘でき、そこからも改ざんが発覚しうるわけですがね)。改ざん発覚を防ぐには、同額の現金を簿外で管理することになるわけです。有り体に言えば『裏金』という奴ですね。そりゃ、「秘書のせい」にして逃げるわなぁ。自分の責任と認めたら政治家生命が完全に断たれるものなぁ。