2016/04/22(金)20:15
今宵の月
ひねもすのたり牧場の牧草地の上にのぼった月。
星空年鑑によると、今宵はことし最小の月。月の軌道が、最も遠いからなのだそう。
今日の仕事が終わった。
畜舎の外で、しばしぼんやりする。
風があったかい。
すぐそばの木立で、ふくろうの声がする。
啼きながら、きつねが通っていく。
いろんな命の息遣いがする。
近くの牧場の灯りが消えると、ほぼ真っ暗なこの場所。
搾乳や器械の洗浄が終わると、静寂につつまれる。
ここだから「創れる」なにかも、あるのかもしれない。
夜空を見上げ、月や星をながめる。
遠い昔、誰かが植えてくれた桜並木を楽しむ。
日本の泥臭いロックを聴く。
見たい雑誌や本を、ジャンル関係なく買って乱読。
チケット取り損ねたお芝居の録画を鑑賞。
ちょっとぬるめのお湯に、ゆーっくりつかったときのように、
小さな「好き」と「心地よい」にひたっていくと、
芯からじんわり、体温が上がるのを感じる。
出逢いや発見、再認識が、どんどん押し寄せてくる。
両手を広げて、こぼさぬように押し抱く。
もう少しあったまったら、ここからが本当のスタート。