アントンという街を出たのは早朝であった。アユタヤまでの距離は32キロ。
豆腐屋おじさん自転車(1段変速、荷物30キロ、前かごにラジカセ入り)は、短い行程なので楽勝で着くと思われたが、休憩30分を含めて4時間で到着。平均時速8キロ。
途中の道端で、1バーツ硬貨を3枚拾った。何か複雑な気分になった。田舎では1飯食える。
才能、頭のよさ、根性の3段階で走った後、宿にチェックインする。ヤモリが鳴く。
身軽になった自転車と共に、遺跡を目クラ滅法に回る。トラックに抜かれて、麦藁帽子がブブーンと飛んでいく。近くで様子を見ていた土方のおっさんと、目が合い、そのまま、おいでおいでをされ、屋台で、飯を食う。会話は出来ないが、私は、メコンウイスキーと氷を頼み、どうぞどうぞをする。タバコを勧める。
空荷でペダルが軽く、口で「ヒュンヒュン」と意味無くいう。5箇所の遺跡を回ったところでスコール。
雨宿りの後、川沿いに自転車を止めて、石を投げながらぼーっとしていると、3人の日本人が寄って来た。青山学院大学アイセックだという。一見して日本人と分かるのは、バミューダのズボンにポーチベルト、手にはカメラ。私はもう失った。
宿屋を一歩出ると、「レディ?」とポン引きが寄ってくる。
とろいトラックの後ろに捕まって、自転車は夜の市内にはまっていく。
ところで、今年夏には(?)、
バンコクにも新空港ができる。98年クアラルンプールに香港、99年に上海、01年にソウルに大型国際空港ができた。そうそう、去年には名古屋にも国際空港ができた。去年よりアジアでは10港で乗客が2割以上増えている。これら、シンガポールを含め、アジアの新空港は、当然ながら、成田より交通アクセス、規模、コスト(着陸料)すべてで勝っている。高い、狭い、遠いに対して日本はどうやっていくのか。
成田の着陸料は90~100万円であるが、今年の成田空港民営化で20万円ぐらい下がったらしい。といいつつも、シンガポールは20万円程度だ。成田の滑走路は、長いのと短いのがあるが、上海は4本になるし、ソウルは敷地が成田の5倍になる予定だ。数年後には成田と日暮里を40分以内で結ばれるようになるが、遠くなったとはいえ、香港の倍はかかる。一番いい対策としては、横田基地と成田の交換、または羽田沖に滑走路を作る(はじめからそうすればよかったのに)ことだろうが、さてどうするのであろうか。
成田は世界で8番目に民間旅客数が多いが、9位にバンコク、10位にソウルが肉薄している。
成田の強みは、日本がまだお金持ちであり、自国民が犠牲を払って、利用することだ。いわゆるオリジン&ディスティネーションつまり、経由が少ないということだ。その他に、世界の航空業界は、アウターライアンス、スカイチーム、ワンワールドと3つのセクトに統合されつつあるが、成田は珍しく3つとも同じように発着しており、それが固まっており、移動しやすいということか。それにANAとJALはまだつつましく、他国のように自国の航空会社がすごい面積をとっているということがないのも、まだメリットか。あとは、やはり貨物量が多いことか。
また6月には免税店が拡張されるようだが、まあどうなんだか。
ナリタナカミセというらしいが、ナリタカミカゼで良いと思う。
*世界発着数ランク
パリ、ロンドンヒースロー、アムステルダム、フランクフルト、チューリヒ、ブリュッセル、ミュンヘン,コペンハーゲン、トロント,マドリード、
*世界旅客数ランク
ロンドンヒースロー、パリ、フランクフルト、アムステルダム、香港、ロンドンガトウィック、シンガポール、成田、バンコク、ソウル。
* 世界貨物量ランク
香港、成田、ソウル、シンガポール、アンカレッジ、フランクフルト、台北、マイアミ、アムステルダム、ニューヨーク