学生時代は電話代金も高く、インターネットもなかったので、日本への連絡はひたすら葉書手紙である。日本で何が起こっているか全くわからい状態で、友達や家族とも音信不通となり、特に問題ないのだが、まあ、暇なので、控えてきた住所を記載して葉書や手紙を書く時間というのがたっぷりあって、ホテルや食堂(カフェーには行けなかったけど)で書いては送っていた。そういうのは、どうなっちまったんだろう。俺も探してみた。随分紛失している。毎週のごとく海外のどこかからエアメールが届いていた学生時代、考えたら、郵便屋のバイクのエンジン音は楽しみであった。毎日11時半ころに来るのである、あれ、学校は?そやね。(今は1週間家を空けて、家に帰っても何も郵送物ないよ、ということである)
勿論、何を書いたのか、どういう心情なのか、どこにいるのか、最近お互いどうなのか、どういった旅行行程なのか、帰国したら飯食いましょうとか、まあ、多分そういったことを書いていたとは思うのだが、手元にないので分からぬ。
押入れの彼方から何枚か出てきたので分析してみよう。
左上;ポカラ(ネパール)。トレッキングが終わり久々の冷たいビールを飲みながら書いている。ポカラは10年前とは変わりました(彼とは、10年前ポカラで偶然再会した大学の後輩)。そういえば10年前偶然会いましたね、あの時停まっていたホテルまだありましたよ、もう開店休業状態ですが。(先日の飲み会では醜態さらしてすみませんでした)。→なるほど前に会ったことも書いてて、遠く5000キロから詫びているのか。
右上:湖水地方
左下;モロッコ日帰りでタンジールにスペインから行ったとのこと。ツアーで疲れたとのこと。ジブラルタル海峡2時間ですよ、初アフリカ感激です、とのこと、インドみたいでしたよ、スペインはっどこでも飲めるので天国ですよ、とのこと。絵葉書の町はカディス。前に私がセビリアから行こうかと思って失敗したとこよ。
右下;今、日本にいますよ。草原の真ん中で風に吹かれてますよ→うーん、北海道か?トトリ砂丘か、あ、砂丘か。単なる心情?
左上;チェンマイ、あら
フウニンさんからのエアメール1999年だわ。明日からトレッキングとのこと。チェンマイが思いのほか都会で驚いたとのこと。当たり前ですが中国より100倍いいですね、とのこと。年賀状を兼ねていること。
右上;裏向けたら白紙
左下;イギリス留学中で、卒業制作まであと3か月とのこと。
右下;ニュージーランド。KAIKOURAではイルカ泳ぎ、GREYMOUTHではケービングを楽しんだとのこと→でもこれ差出人書いてないから誰だか分からないね。
左上;モントリオール、カナダに来てから3年。なかなか進歩ないよとのこと。引っ越しするから新しい住所書いとくね、とのこと。
右上;インド、タゴール大学
左下;グルネル。あ。それ画家か。
右下;ブハラ、ウズベキスタン。毎日40度超す。なまりのきついロシア語でやたらはんしかけられる。これからトルクメニスタン経由でカスピ海を船で渡って、アゼルバイジャン、アルメニア、グルジアに行く。6月25日に帰国するので会いましょう。→おお、手紙の王道や。
ところで、物持ちいいねえ、と思われるかもしれないが、段ボールにガサーっと何の整理もされず詰まっているだけである。
パラリンピク、このひと、うーん、つよすぎ。