東野圭吾( マスカレード・イブ)
2015年2月27日★★★★本作はマスカレード・ホテルでホテルフロントクラークの山岸尚美と警視庁捜査一課の新田浩介が出会う前の4つの出来事を中短編集でまとめた作品集である。マスカレード・ホテルの事件発生で二人は初めて知り合うのだが本作では全く会うことも接近することもなく進んでいく。その中でホテルでの出来事と殺人事件の捜査が密接に最後には繋がって行くことになる。ホテルというお客さまの仮面を守り抜く尚美の仕事と犯人の仮面を暴くという新田の職務、それぞれの仮面を通して嘘や憎しみなどが見え隠れしている様子を本作は訴えているようだ。時間の流れ的には本作が先なのだが、まだ未読のかたはマスカレード・ホテルから読むことをお薦めします。本作だけ読むとただ単に繋がりがこじつけのように感じてしまうかもしれない。東野圭吾先生、これってシリーズものにするんでしょうか?もちろんシリーズ化するなら次作も読みますよ。楽しみにしています。