大沢在昌(毒猿 新宿鮫2)
2015年4月25日★★★★ハードボイルド小説である逢坂剛の「百舌の叫ぶ夜」を読んだあと、無性に大沢在昌の新宿鮫シリーズを読んでみたくなり、新宿鮫以来、約2年振りにシリーズ第2段を読んでみた。凄腕の殺し屋・毒猿が新宿に潜入。彼を裏切った台湾マフィアのボス・葉が標的だ。孤独な毒猿に心惹かれた奈美は、その復讐劇に呑み込まれていく…。台湾の敏腕刑事・郭とともに、毒猿の爪痕を追う鮫島。葉を匿う暴力団・石和組と毒猿の全 面対決が迫る!新宿御苑を舞台にした決戦の果ては!?そして奈美の運命は!?シリーズ最強の敵が鮫島の前に立ちはだかる。(裏表紙引用)前作を読み終わったあと、これは病み付きになるなと感じて早二年がたち、今読んでみると、今回もあの時の読後感そのままで、やはり病み付きになりそうである。実はシリーズ第3段を既に買ってしまったほどに。本作は間違いなく面白さという点では前作を凌ぐ、それこそノンストップのハードボイルドミステリーである。主人公の鮫島はもちろんだが、敵役(毒猿)がこれでもかと言うほど強敵で、そのすごさは人間ばなれした殺人マシーンであり、狙った獲物は絶対逃さない、まさに最強の適役である。これに毒猿を追って台湾から来た刑事がまた味があり、小説の面白さや深みが倍増されている。まだシリーズ2作を読んだだけだが、この先どんな展開で進んで行くのか本当に楽しみだ。とりあえず第3段を近々読んでみようとおもう。