岡嶋二人(解決まではあと6人)
2016年5月28日★★★★先日読んだ綾辻行人と同様、お気に入りの作家である岡嶋二人だが作品を最近読んでいないなぁって思い、Amazonのレビューで評価が高く、以前楽天の電子書籍クーポンで買ったまま未読の本作を思い出して、早速読んでみた。次々と興信所を訪れては、およそ事件とは思われない奇妙な依頼をしていく謎の女・平林貴子。いったい、彼女の本当の目的は何なのか。やがて、それぞれの調査報告が、ひとつの輪のように繋がって隠された大事件の全容が明らかになっていく。斬新なスタイルで、読者に挑戦する華麗なるメドレー・ミステリー。(BOOKデータベースより)サブタイトルの5W1H殺人事件とあるように、6つの章だてにそれぞれ別の探偵屋に平林貴子が調査を依頼し、WHO:カメラの持ち主は誰?、WHERE:都内で大文字のVで始まる単語2語の名前で且つ緑色のマッチを置いている喫茶店はどこ? 、WHY:盗まれた車の後部シートが無くなったのはなぜ?、HOW:3本の録音テープに残されたメッセージはどのようになものか?、 WHEN:呼び出した男に「吉池はいつ戻るのか」と問い詰める。で最後のWHATで この事件の真相を解明するという流れで進んでいくという、かなり凝った作品で面白く読めた。出だしのカメラの持ち主を探す章から犯罪の匂いがプンプンと漂い、これはかなり面白い小説だなって感じて、展開を期待して次の章に移るのが楽しいみなったほどだ。この作品には主人公は登場していない、依頼者の平林貴子は物語の中にはほとんど登場しないので、強いてあげれば犯人ぐらいだろうか。それでも読み進めていくうちに徐々に謎が解き明かされ、最後にどんでん返しの真相で決着するのだか、その最後が少し物足りなさを感じた。多分謎解きの部分が説明的に語られているのが、そう感じた原因ではないかと思う。それを差し引いても岡嶋二人は面白いと再確認出来た本作でした。次はまたまた暫く読んでいない井上夢人の作品でも読んでみようと思う。