今野敏(探花 隠蔽捜査9)
2023年4月18日★★★★岡嶋二人のクリスマス・イブを読んで次は井上夢人かと考えていたところ、図書館から予約していた今野敏の隠蔽捜査シリーズ第9弾が届いていると連絡があり、大森署の署長から神奈川県警刑事部長として活躍の場を移した隠蔽捜査8以来、2年8ヶ月振りに変人竜崎伸也の活躍を期待して読んでみることにした。神奈川県警刑事部長となった竜崎のもとに現れた、同期入庁試験トップの八島という男。福岡県警から赴任してきた彼には、黒い噂がつきまとっていた。さらに横須賀で殺人事件が発生、米海軍の犯罪捜査局から特別捜査官が派遣されることに――。次々と降りかかる外圧に、竜崎は警察官僚(キャリア)としての信念を貫けるのか。新展開の最新刊。(BOOKデータベースより)隠蔽捜査シリーズもすでに9作目、スピンオフの3.5と9.5を入れると11作の超ロングラン小説だが、それには特別な理由などは無く、だた単純に面白いからだと思っている。今回の舞台は大森署の署長時代からの警視庁を離れ、前作同様神奈川県警の刑事部長という立場での新展開第二弾である。今回は海外留学中の息子の失踪、殺人事件の横須賀米軍絡み、神奈川と福岡との麻薬密輸、竜崎の同期でハンモックナンバー1位の八島が神奈川県警の警務部長へ就任など様々な難題が竜崎に降りかかるが、そこは変人竜崎の的確な判断と伊丹の警視庁や他県警に捜査協力を得ながら犯人逮捕に導くまでがさすがです。海外留学中の息子の失踪についてはあらかた予想していた通りの結末で少し捻りが欲しかったなと感じたのが少し残念だが…八島が前任地の福岡で行った不正行為が明るみになるが竜崎の一言から「おとがめなし」となり、今後の八島の反撃を期待してしまう。スピンオフ作品の隠蔽捜査9.5が未読なので近々読んでみようと思う。