長岡弘樹(新・教場)
2023年11月26日★★★★最近めっきり少なくなった読書の数ですが今月はこれまでに既に3冊読んでいるので、次は4冊目になるのだが、いったい何時以来かと調べてみるとなんと2021年の12月と約2年振りなのがわかり、あの時は確か年間24作品の目標達成に向けてラストスパートをしたのを思い出しました。今回はあの時とは多少状況は異なるが、今年の目標である読書の年間24冊達成に向けて何を読もうかと考えた中で選んだのは、警察小説の短編を書かせたら横山秀夫か長岡弘樹の二人の作家の名前が上がるが、その一人の長岡弘樹の作品で代表作の「教場」シリーズの続編が出版されているのを知り、「教場X 刑事指導官・風間公親」以来1年4ヶ月ぶりに本作を読んでみることにした。最恐教官・風間公親の初陣!新章始動!第一話 鋼のモデリング風間公親は、警察学校第九十四期初任科短期課程の教官となった。助教の尾凪尊彦は、気になる生徒として、人命救助で警察に表彰されたことのある矢代桔平の名を挙げた。第二話 約束の指実家が町工場を営む笠原敦気は、マル暴刑事を希望している。クラブ活動ではソフトボールに力を入れ、元高校球児の助教・尾凪から手ほどきを受けているが、スローイングに難があった。第三話 殺意のデスマスク若槻栄斗は、ブラジリアン柔術の有段者。交番実地研修中に、通り魔を逮捕した若槻に、風間は現場の再現を命じる。第四話 隻眼の解剖医警察学校では課外授業として司法解剖を見学する。不快指数が高いと、犯罪が起きやすい。七月に入り、生徒の大半が嘔吐する講習が近づいていた。第五話 冥い追跡星谷舞美は性格が明るく、成績もトップクラスである。星谷と大学同窓の石黒亘は、下位から成績を上げてきた。卒配後は成績上位二名が最重要署のA署に仮配属となる。第六話 カリギュラの犠牲氏原清純はソリの合わない同期・染谷将寿と、卒業式のスライド上映担当を任された。当日、風間は祝辞の読み上げをやめ、最終講義を始める。(Amazon内容紹介より)本作は大好きな作家である長岡弘樹の「教場」シリーズの最新刊である。物語は風間が警察学校の教官として着任した直後から第94期初任科短期課程に入学した警察学校の生徒とのエピソードを描く。プロローグで警察学校の校長は思う、今までは新米刑事を鍛えていた風間なのだ、警察官のひよっこを相手をするのはある理由があってのことで、いずれ刑事捜査の第一線に戻るんだろうと…。各短編全てに助教である尾凪と生徒が絡む展開で進んでいく。中には風間に退校を突きつけられる生徒が何人も出てくるが、それには全て理由があり、風間にはしっかり見抜かれている。それを同様に見抜けない尾凪なのだが尾凪が鈍いわけではなく、風間が特別なのだ。最終話の卒業式で行われた風間の特別授業で風間の想定を超えた学生がいることを知り、エピローグで風間は校長に警察学校に残る決意を語って締めくくっている。本作の刊行時期が春の連続ドラマのスタートに合わせたのだろうとの想像がつくが、表紙の風間が木村拓哉に似ていると感じるのは私だけでしょうか?