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2016.04.29
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2016年4月29日
★★★★
少年犯罪を題材にした「天使のナイフ」で圧倒的な支持をうけ第51回江戸川乱歩賞を受賞した薬丸岳だが、それを読んでみた感想は新人とは到底思えない襲撃を与えてくれた。そのデビュー作の「天使のナイフ」を以来、今度は刑法三十九条の心神喪失者を題材にした本作を期待して読んでみた。

通り魔事件によって娘の命は奪われた。だが犯人は「心神喪失」状態であったとされ、罪に問われることはなかった。心に大きな傷を負った男は妻とも別れてしまう。そして事件から4年、元妻から突然、「あの男」を街で見たと告げられる。娘を殺めた男に近づこうとするが……。人の心の脆さと強さに踏み込んだ感動作。(裏表紙引用)

いきなり12人の殺傷という惨い場面から始まる。それも3歳の少女がナイフで首を突き刺して惨殺されると言う場面からである。その凶悪な殺人者は実は統合失調症という精神病であるため、刑法三十九条により 責任能力の無い者と判断されて不起訴となってしまう。本作の読みどころは、 その刑法三十九条という日本独自の法律を作者が読者にどう考えるかと問いかけた形をとった小説だと言える。作者は被害者や加害者の両面から様々な登場人物を通して丁寧に描くことによって、こんな社会の不条理を単純に批判するだけでなく、その意味を考えさせられているのだと感じた。最後の子供を殺された佐和子の計画的な行動には予想もしなく驚いたが、被害者の憎しみや悲しみが丁寧に描かれていて苦悩がじんじんと伝わってくる。 ただデビュー作の「天使のナイフ」ほどの驚きや綿密さはなく★4つとしたが、こんな法律はどうなんだろうかと真剣に考えてしまうほど、読後感は悪くはなかった。こういった難しい社会のテーマを扱う薬丸岳という作家を今後も追いかけていきたいと思う。





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最終更新日  2025.05.19 18:57:49
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