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2016.05.06
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2016年5月6日
★★★★
私が次に読むミステリー小説を探すときによく参考するオスダメ!?で国内ランキングを眺めていると10位以内で読んでいないのが7位に入っている伊坂幸太郎の本作「死神の精度」だけである。伊坂幸太郎の小説を読んで私は短編集はあまり合わないと思っていたので、読み飛ばしていたのだが、さすがに7位となると読まないわけにいかないと思い、GWの合間にさらっと読んでみようと思い手に取ってみた。
こんな人物が身近に現れたら、彼/彼女は死神かもしれません──(1)CDショップに入りびたり(2)苗字が町や市の名前と同じ(3)会話の受け答えが微妙にずれていて(4)素手で他人に触ろうとしない。1週間の調査の後、死神は対象者の死に「可」「否」の判断を下し、「可」ならば翌8日目に死は実行される。ただし、病死や自殺は除外。まれに死神を感じる人間がいる。──クールでどこか奇妙な死神・千葉が出会う、6つの人生。(裏表紙引用)
読後の感想としてはamazonの評価でもわかるように短編集ではあったが、これはかなり面白い。主人公は千葉という死神で死のターゲットとなった人間を7日間の調査の後、「可」か「見送り」かの判定を下す。年齢は相手によって変えられるという設定で、いったい何歳なんだと思うのだが、それは最後まで分からなかった。ただ最後の「死神対老女」を読むと老女の若い頃に会っているという事がわかるので最低でも100歳位にはなっているのだろうと思う。死神というのはみんなミュージックが好きなようで時間があればレコードショップ(今はレコードは売ってないので音楽ショップか?)で視聴しているらしい。何処かのショップに行けばまず死神に会えるらしい。これはミステリーなのかと疑ったが最後まで読むとやはりミステリー小説なんだと納得する。また千葉と言う男のどこかユーモアな所も小説を面白くしている要素でもある。判定を下す部分はどの短編も読み所満載だが、特に最後の「死神対老女」は全体を締めくくる上で秀逸な作品で「恋愛で死神」との関わりがあるなんて最後の最後でうるっときてしまいました。伊坂幸太郎という作家をまた好きになった気がする。次はこれも評価が高いゴールデンスランバーあたりの長編を読んでみたい。





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最終更新日  2024.11.01 12:23:28
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