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カテゴリ:読後レビュー(本屋大賞)
2021年9月12日 ★★★★ 5月に読んだ凪良ゆうの「流浪の月」の時も書いたと思うが基本、私はミステリー小説を好んで読むため純文学系の本は読みません。ただ本屋大賞作品だけは読書を愛好している一人として、その括りにとらわれずに読んでおいた方が良いと昨年の受賞作品を読んで感じたので、著者の町田そのこさんは名前も聞いたことが無かったが今年の第18回本屋大賞受賞作である本作を前回同様に期待して読んでみることにした。 52ヘルツのクジラとは―他の鯨が聞き取れない高い周波数で鳴く、世界で一頭だけのクジラ。たくさんの仲間がいるはずなのに何も届かない、何も届けられない。そのため、世界で一番孤独だと言われている。自分の人生を家族に搾取されてきた女性・貴瑚と、母に虐待され「ムシ」と呼ばれていた少年。孤独ゆえ愛を欲し、裏切られてきた彼らが出会い、新たな魂の物語が生まれる―。(BOOKデータベースより) 前作の「流浪の月」と同様に読み終えたあと心に残るかなりつらく悲しい話でした。 過去に児童虐待の経験を持つ主人公の貴瑚、現在母親からムシと呼ばれて虐待されている少年の愛(いとし)。この二人を主軸に過去と現在を交互に物語は進んで行く。 結末には少年と貴瑚の別れがあるのだが、言葉が出ない少年に一部のクジラにしか聞こえないという52ヘルツの声が届くという感動を届けて終わるストーリーに泣けました。 ニュースや報道番組でも特集が組まれるなど児童虐待の話は絶えない。この物語のように子供達の声が届くと良いなぁって思ったのは私だけでは無いはず。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.07.12 20:18:18
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