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カテゴリ:読後レビュー(本屋大賞)
2023年2月23日 ★★★★ 1月は読書2冊とまずまずのスタートを切れたと思っていたところ2月に入って全く読書をする気が起こらず、これはやばいかなと思っていた矢先に、図書館から昨年秋ぐらいに予約していた2022年本屋大賞受賞作で且つ、第11回アガサ・クリスティー賞大賞受賞、キノベス2022第1位、第166回直木賞候補作にもなったというとんでもなく凄そうな逢坂冬馬の本作を期待して読んでみた。 独ソ戦が激化する1942年、モスクワ近郊の農村に暮らす少女セラフィマの日常は、突如として奪われた。急襲したドイツ軍によって、母親のエカチェリーナほか村人たちが惨殺されたのだ。自らも射殺される寸前、セラフィマは赤軍の女性兵士イリーナに救われる。「戦いたいか、死にたいか」――そう問われた彼女は、イリーナが教官を務める訓練学校で一流の狙撃兵になることを決意する。母を撃ったドイツ人狙撃手と、母の遺体を焼き払ったイリーナに復讐するために。同じ境遇で家族を喪い、戦うことを選んだ女性狙撃兵たちとともに訓練を重ねたセラフィマは、やがて独ソ戦の決定的な転換点となるスターリングラードの前線へと向かう。おびただしい死の果てに、彼女が目にした“真の敵"とは?(Amazon内容紹介より) 本作は本屋大賞受賞作でもあるが、史上初の選考委員全員が5点満点をつけた第11回アガサ・クリスティー賞大賞受賞作である。 まず、長編小説の中でも長めの作品で遅読の私には読み切るのに時間がかかりましたがアガサ・クリスティー賞という名前に相応しく、新人作家が書いたと思えないぐらい素晴らしい作品でした。 内容はというとAmazonの紹介文にも書かれているが第二次世界大戦の独ソ戦を描いた戦争小説です。村が襲われ村人や母親が惨殺され焼かれる中、救助されて生き残った少女セラフィマが復讐心を宿し、女性狙撃兵となり村人や母親の仇を討つため戦争というドロ沼に踏み込んでいく。 ミステリー小説のようなどんでん返しや仕掛け、謎解きなどがある話ではないが戦争小説としてのお互いの思想や悲劇の連鎖など上手く表現されていて嫌な気分にならないように描かれているので気持ちよく読み進めることが出来ました。 最後のエピローグに少し涙腺が緩くなりましたが最後の最後まで惹きこまれた作品で全ての人にお薦めできる小説です。
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最終更新日
2024.07.12 20:08:08
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