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カテゴリ:読書レビュー(伊坂幸太郎)
2023年8月31日 ★★★ 先日、西澤保彦の本格的なミステリーものを読んだあと、少し間が空いたが次は何を読もうかと未読の本棚をまた眺めていると「アヒルと鴨のコインロッカー」を読んだあと、お気に入りの作家の1人になったと感じて買いだめていた伊坂幸太郎の未読本が7,8冊あることがわかり、これは久しぶりに読まないとと手に取ったのは、続編となる「モダンタイムス」を先に読んでしまって後悔していた本作だが「モダンタイムス」の内容もかなり忘れてしまっているので気にせず読んでみることにした。 会社員の安藤は弟の潤也と二人で暮らしていた。自分が念じれば、それを相手が必ず口に出すことに偶然気がついた安藤は、その能力を携えて、一人の男に近づいていった。五年後の潤也の姿を描いた「呼吸」とともに綴られる、何気ない日常生活に流されることの危うさ。新たなる小説の可能性を追求した物語。(BOOKデータベースより) 本作は未来党の若き党首にして、歴史の教科書にも載っている五・一五事件で暗殺された総理大臣と同じ姓を持つ男の犬養。その犬養の主張はストレートで歴代総理が決して口にしなかった米国批判など思ったことは躊躇しないで発言する。その犬養に立ち向かおうとした兄弟の物語である。 前半の「魔王」は兄、後半「呼吸」は弟が、それぞれの特異な能力を駆使して犬養に挑む。日本を変えてやるなどと大それたことを考えたわけではないが、ただ疑問を感じることからすべては始まると言う兄弟の共通の信念らしい。 本作で伊坂幸太郎が読者に投げかけるものは軽くはない。ただ弟の潤也の能力は私も欲しいです。皆さんも同じですよね(笑)
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最終更新日
2024.11.01 12:19:45
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