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カテゴリ:読書レビュー(伊坂幸太郎)
2024年11月2日 ★★★★ 月2冊ペースで進んでいる読書だが、次に何を読もうかと未読の本棚を眺めていると、伊坂幸太郎の未読本が数冊目に留まり、最近読んでいないので、長編ではなく読みやすい連作短編集の本作を昨年読んだ「魔王」依頼、1年3ヶ月振りに伊坂幸太郎の作品を読んでみた。 星野一彦の最後の願いは、何者かに〈あのバス〉で連れていかれる前に、五人の恋人たちに別れを告げること。 そんな彼の見張り役は「常識」「愛想」「悩み」「色気「上品」── これらの単語を黒く塗り潰したマイ辞書を持つ粗暴な大女、繭美。 ふたりのなんとも不思議な数週間を描く、おかしみに彩られた「グッド・バイ」ストーリー 。(BOOKデータベースより) 本作は文庫本の巻末インタビュー記事に伊坂幸太郎へ編集者から太宰治の未完の作品であった「グッド・バイ」を完成させませんか?との依頼から伊坂幸太郎独自に想像を膨らませた全く新しい物語として書かれたものらしい。 また、本作は変わった企画もので「ゆうびん小説」として書かれた5つの短編をそれぞれ選ばれた50名の読者にのみ郵送されるというもので、正直50名に選ばれた人は幸運を感じたに違いない。 さて本作の内容だが、5股をかけていた主人公の星野一彦が借金などを返済出来ないため〈あのバス〉に乗せられることになった。その5人に同行した繭美を結婚相手だと紹介して1人1人に別れを切り出すというパターンなのだが、繭美は本当の結婚相手ではなく星野の監視役だったのだ。 その繭美は超巨体な上に性格は超悪い。会う5人の女性に次から次へと嫌味や暴言をはき、且つ彼女の辞書には同情や優しさに関する言葉は黒く塗りつぶされて抹消されている。 5つの短編の後に最終話で一応顛末を描いているが、〈あのバス〉に乗った後には触れられていないので個人的には消化不良気味だが、伊坂幸太郎曰く読者それぞれの結末を想像して欲しいと言う事らしい。 青空文庫で未完に終わった「グッド・バイ」が読めるらしいので本作と比較してみたいと思う。
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最終更新日
2024.12.20 23:13:42
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