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テーマ:ミステリはお好き?(1644)
カテゴリ:読書レビュー(今村昌弘)
2025年4月19日 ★★★★ 宮部みゆきの上下巻の大作を読んだ後、次は少し短めの長編か短編ものを読もうと決めていたところ、地元の図書館で予約していた今村昌弘さんの初の短編集である「明智恭介の奔走」が確保されたと連絡があり、これは丁度よいと思い、「屍人荘の殺人」のスピンオフ作品でもある本作を読んでみることにした。 神紅大学ミステリ愛好会会長・明智恭介。小説に登場する探偵に憧れ、事件を求めて名刺を配り歩く彼は、はたしてミステリ小説のような謎に出合えるのか――大学のサークル棟で起きた不可解な盗難騒ぎ、商店街で噂される日常の謎、夏休み直前に起きた試験問題漏洩事件など、書き下ろしを含む全五編を収録。『屍人荘の殺人』以前、助手であり唯一の会員・葉村譲とともに挑んだ知られざる事件を描く、待望の〈明智恭介〉シリーズ第一短編集! (BOOKデータベースより) 本作は剣崎比留子と相方の葉村が探偵役の「屍人荘の殺人」から始まるシリーズの前の物語である。主人公は神紅大学ミステリ愛好会の会長・明智恭介と後輩で助手の葉村がつとめる。また、物語の語りても最終話以外は葉村が務めた5編で構成された短編集である。 各短編のコメントを以下に少しだけ書いておきます。 「最初でも最後でもない事件」大学のキャンパス内で窃盗事件がおこり、現場に気絶していたのは容疑者だったのだが、実は被害者だった?真相を知るとう〜ん同情するしかないよな…。 「とある日常の謎について」今は廃れた商店街の喫茶店に突然来店する明智が、その店主の謎を解明するお話。 「泥酔肌着引き裂き事件」朝から前日泥酔して帰宅した明智から呼び出される葉村だが、明智が言うには朝目覚めるとパンツが引き裂かれていたというではないか…。一番短いが一番バカバカしく一番お薦めかも。 「宗教学試験問題漏洩事件」教授から呼び出されて部屋に残った学生に疑いがかけられる。真相はと言うと呆れるばかりだか、手間暇かけたトリックや伏線には一読の価値ありです。 「手紙ばら撒きハイツ事件」明智の若かりし頃のアルバイト先の探偵事務所のはなしで、語り手は探偵事務所の所長に代わり、明智の探偵デビュー譚として〆に相応しい作品かな。 明智の探偵として成長を感じる内容で名探偵になる前にあの事件に遭遇するなんて、今更ながら残念で仕方が無い。
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最終更新日
2025.04.20 09:29:11
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