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カテゴリ:読書レビュー(東野圭吾)
2025年6月28日 ★★★ 今月も時間を見つけて順調に読書を続けているが、次は古典的な出来れば密室ものを読もうと未読の本棚を眺めていると、密室ものと言えば岡嶋二人であるが、未読の最後の1冊に残してある「殺人志願者」は密室ものではないので、じゃあどれにしようかなと更に本棚を眺めると東野圭吾の初期の作品で学園物の密室ミステリー作品である本作が目に止まり、先日読んだ「架空犯」とはまた違った楽しみもあるかなと思い、読んでみることにた。 学生街のビリヤード場で働く津村光平の知人で、脱サラした松木が何者かに殺された。「俺はこの街が嫌いなんだ」と数日前に不思議なメッセージを光平に残して…。第2の殺人は密室状態で起こり、恐るべき事件は思いがけない方向に展開してゆく。奇怪な連続殺人と密室トリックの陰に潜む人間心理の真実。 (BOOKデータベースより) 本作は、文庫版の解説に書かれているが「放課後」「卒業」と合わせたデビュー時の学園三部作と呼ばれるらしい。ただ、「放課後」「卒業」は純粋に学園を舞台にしているのに対し、本作は学生街が舞台である点がことなっている。 その中で大学の正門の位置が90度変わったことにより寂れた旧学生街と新学生街に分かれるのだが、本作は旧学生街に居残る大学を卒業したが定職に就いていない「自分探し中」の津村光平を主人公にした物語である。 内容はと言うと光平の同じバイト先で働く松木が殺害され、さらに第二の殺人の犠牲者となったのは光平の恋人である広美だった。現場はエレベーター内の密室状態で連続する殺人にいきなり衝撃を受ける。その後第三の殺人が起こり、光平は広美との関連性を調べ始めるが、広美のことを何も知らなかったことを改めて知り迷走する。 最後はいくつもに張り巡らされた謎を光平が次々に真相を暴いていくが、誰もが不幸になってしまう結末には全く予想が出来なかった。 エレベーターの密室トリックや今では普通に使われているAIの話などさすが理系出身の東野氏だなぁと感じるが、最近の東野氏の作品を知っているためか少し物足りなさを感じるのはデビュー当時の作品なので仕方が無いのかもしれない。
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最終更新日
2025.06.28 20:51:09
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