宮島未奈 (成瀬は信じた道をいく)
2025年11月7日★★★★宮島未奈氏の2024年の本屋大賞受賞作の前作「成瀬は天下を取りにいく」の続編が出ていたので地元の図書館に予約していたが、半年以上経って忘れかけていたころ図書館から確保されたと連絡があり、2025年の本屋大賞受賞作の阿部暁子氏の「カフネ」をまだ読んでいないが本作「成瀬は信じた道をいく」を先に読んでみる事にした。唯一無二の主人公、再び。…と思いきや、まさかの事件が勃発!?我が道を突き進む成瀬あかりは、今日も今日とて知らぬ間に、多くの人に影響を与えていた。「ゼゼカラ」ファンの小学生、成瀬の受験を見守る父、近所のクレーマー(をやめたい)主婦、観光大使になるべくして生まれた女子大生…個性豊かな面々が新たな成瀬あかり史に名を刻む。そんな中、幼馴染の島崎が故郷に帰ると、成瀬が書置きを残して失踪しており…!?(BOOKデータベースより)前作同様楽しませてもらいました。本作は成瀬以外の後に成瀬の弟子になる小4のみらいちゃん、成瀬のお父さんの慶彦、クレーマーの呉間事実、成瀬と選ばれたびわ湖大津観光大使の篠原かれん、ゼゼカラの相棒で幼なじみの島崎と短編5作とも全て脇役の視点で書かれていて、前作とは違った意味で全作面白く読ませてもらいました。成瀬みたいな子が実際に周りにいたら私もやはり変わり者だと感じるだろうけど、これほどまでに自分に一本軸を持って生きていけたら本当にいいよなと思います。きっとこれからもいろんなところで成瀬は周囲を巻き込んでいくのだろうけど、その物語をまた読んで見たいと思う。最近遅読気味の私ですが、あっという間に読んでしまった一冊でした。