貴志祐介(硝子のハンマー)
2015年2月6日★★★★気になる作家でもあったホラー小説の書き手である貴志裕介であるが、その作品の中で本格ミステリーの日本推理作家協会賞受賞作があるのを知り、迷わず読んでみた。エレベーターに暗証番号、廊下に監視カメラ、隣室に役員。厳戒なセキュリティ網を破り、社長は撲殺された。凶器は? 殺害方法は? 弁護士純子は、逮捕された専務の無実を信じ、防犯コンサルタント榎本のもとを訪れるが…。(BOOKデータベースより)読後感想としては本作は正真正銘の本格ミステリーである。それも単純なそこらへんのミステリーではなく超難解な密室もので自分などにはそのトリックが解けるはずもない考えつくされた本格ミステリーである。よくもまぁ、こんなトリックを考え出したものだと心底感心する。約600頁と長編ものとしても長めだが全く無駄がなく、これでも短く感じるぐらい緻密な構成になっていて読み疲れも感じず最後まで読み進めることが出来た。前半は密室の謎解きを理論的な視点から一つひとつトリックの可能性を消していく形で進んでいき非常に緻密で著者の念入りな取材が想像出来る。後半はガラッと場面が変わって犯人の生い立ちから犯行にいたるまでを犯人の心理状態を表しながら進んで行く。探偵役となる女弁護士と犯罪コンサルタントとのコンビもなかなか微妙で楽しめた。次は著者得意のホラー小説に挑戦したい。