シービスケット」癒しと馬、思い出の馬、そして「日経新春杯
橋田さんの日記を拝見したら、「シービスケット」っていう映画がやってきますね。馬を通しての、「人のいやしと再生の物語」キャッチコピーが「一度や二度のつまずきは、誰にでもある」大恐慌時代のアメリカで人々が夢を託したのは、大統領でも銀幕のスターでもなく、一頭のサラブレッドだった・・・・ ヒットするでしょうね。なんか、今の時代にぴったり、でも、これってアメリカ映画ですよね。なのに、今の日本の気分にぴったりなんておかしいですね。日本映画、がんばれって言いたくなってしまいますね。日本の音楽産業は、マーケテイング志向が強すぎて、おかしくなっちゃいましたが、日本映画界は逆にマーケテイング志向がなさすぎて、おかしくなっちゃいました。うまく行かないものです。ところで、「夢を託した馬」と言うと、思い出すのは、テンポイントです。ご存知ですか?悲劇の名馬、テンポイント。ライバルはライバルを生むと言いますが、トウショウボーイグリーングラス、テンポイントと、信じられないくらいの強い馬が、同時に3頭も並び立ち、熾烈な戦いの連続は、フアンを熱狂させ、後の競馬ブームへの流れを作っていったのです。中でも、トウショウボーイとテンポイントは、片方が勝てば、次はもう一方がという具合に、抜きつ抜かれつの名勝負を繰り広げていったのです。その決着がついたのが、トウショウボーイの引退が決まった最後の有馬記念。2頭の馬は、圧倒的な強さで、他馬を引き離し、お互いの抜きつ抜かれつの激しいレースを繰り広げ、最後、わずかに、わずかに、テンポイントがトウショウボーイを抜いて、その勝負に決着がついたのです。もし「日本競馬名勝負10番」なんていうランキングがあるとしたら、確実に、上位3位以内に入る名勝負でした。有馬記念後の引退が決まっていたトウショウボーイ。一方のテンポイントは、翌年の京都競馬場でのレース後海外遠征が決まっていたのです。1月22日、運命の京都競馬場。「日経新春杯」。格下の相手ばかりのレース。誰もが、テンポイントの余裕の勝利を確信していました。小雪舞う中で号砲一発、各馬スタート。テレビ中継で、馬群がコーナーの向こうに消えていった時に、実況アナウンサーの悲鳴ともつかない声が聞こえてきました。そして、そこには足を引きずりながら佇むテンポイントの姿が。しかし、ドラマはそこで終わりませんでした。怪我は、骨折。サラブレットには致命傷であり、本来は即日のうちに薬殺がきまりですが、回復を願うファンの声に、結局42日間にも渡っての治療が続いたのです。そして、最後は、やはり薬殺となったのでした。テンポイント、トウショウボーイグリーングラス、時代は変わりますが、オグリキャップ、あんな強い馬たちが再び登場してこないでしょうか? 最近の競馬人気のかげりは、やはり、強い馬たちの不在、にあるんじゃないでしょうか。競馬場をきれいにしたり、イベントをやったり、ファンサービスを充実したり、コマーシャルに大金をかけたり、それは、それで大切なことでしょうが、競馬の本業は、強い馬たちが競い合うこと、本業回帰にあるんじゃないでしょうかね。そうすると、強い馬を飼育する生産農家の保護、と言うか、充実こそがいちばん大切かも知れませんね。相撲もいっしょですね。早く、もっと、もっと強い力士の登場を願う次第です。テレ麻さん、復活、「スモ-ダイジェスト」どうしよう、今日はもう帰ります。