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2007/05/06(日)18:53

【映画感想】 クイーン The Queen

ゴールデンウィークの真っ只中に見に行ったら、行列が出来てて素でビックリでした。 皆、映画なんて見ずに、広島市の誇る祭典、フラワーフェスティバル に行けばいいのに!もしくは「ゲゲゲの鬼太郎」見に行けばいいのに! ……と思わず自分のことを棚にあげてしまうくらいの行列っぷり。 さすがアカデミー賞受賞作品というべきか?→公式ホームページ 世界中が泣いたその日、ただひとりだけ 涙を見せない人がいた 1997年8月、パリでダイアナが交通事故に遭い、帰らぬ人になった。王家においてダイアナはいつも頭痛の種で、民間人となっていたダイアナの死は本来関係のないことであった。女王はコメントを避けるが、ダイアナを称える国民の声は次第に高まっていく。やがてダイアナの死を無視し続ける女王に、国民の非難が寄せられるようになる。若き首相ブレアは、国民と王室が離れていくことに危機を感じ、その和解に力を注いでいく。 ダイアナ元皇太子妃の事故死の最中における英国王室の舞台裏を描いたこの作品。 かなり淡々としたものでした。そりゃまあ、キューバ危機みたいなことがあるわきゃないんだから仕方ないと分かっちゃいますが、もっと派手な事件があったもんだとばかり思ってたので、ちょっと意外でした。殺人事件も起きなかったし!(←起きるわけがない。あ、でも、殺鹿事件はあったか) 面白いかったか面白くなかったかと問われれば、こう答えます。 面白かった と。 「ドリームガールズ」を見に行った時の予告編を見て、絶対見に行こうと心に誓ったのは裏切られませんでした。 とにかく、最初のタイトルバックのヘレン・ミレンが視線を正面に向けたときのかっこよさにやられた! 淡々とした作品なので血沸き肉踊るとはいかないですが、ヘレン・ミレン演じるエリザベス女王は一見の価値があります。 もう、その他はどうでもいいや、って言ってもいいくらい。(←待て) この映画で描かれるエリザベス女王やブレア首相の言動が真実なのか虚飾にまみれたものかは分からないものの、私は、ダイアナ元皇太子妃がどうしてこうも熱狂的な人気があるのか分からないクチなので、ヘレン・ミレンの熱演も相まってエリザベス女王に共感を覚えることができたことが、この映画に面白さを感じた理由の一つかもしれません。 自ら車を運転し、チャールズ皇太子がパリまでチャーター機でダイアナ元皇太子妃の遺体を引き取りに行くと言った時に、経費がかかると反対し、自分の批判が1面に掲載されたタブロイド紙を見て心を痛め、母親を失った孫に思いを馳せる。 女王であり、1人の女性であり。けれども、1人の女性である以前に女王であり。 「すべて多く与えられた者は、多く求められ、多く任された者は、更に多く要求される」存在をヘレン・ミレンが見事に演じきっててかっこいいったら! まさしく、そこにあるのはノブレス・オブリージュであり、国民から求められるのは「特権は特権を持たない人々への義務によって釣り合いが保たれるべき」だということであり。 あまりにも淡々と進んでいくので、途中、うっかり眠ってしまいそうになりましたが(っていうか、途中何回か意識が飛んだ・笑)、エリザベス皇太后に意外にも好感が持て、エディンバラ公の頑固親父っぷりに苦笑し、チャールズ皇太子の日和見に呆れ、ブレア首相夫人のシェリー・ブレアのお辞儀の仕方に爆笑し……とエリザベス女王以外にも、密かに見所は多いです。 そして、何と言っても コーギー犬の愛らしさ! ワンコ好きさん、必見です。 それにしても、現役の王室が人間がこうして映画になるって、日本じゃ考えられません。 ウィキペディアによると、「本作品がアカデミー賞を受賞した際には、エリザベス女王、ブレア首相は祝意を表した。」そうですが、ってことは、ブレアさんはともかく、エリザベス女王本人もこの映画を見たってことですよね?それはそれですごい。 ところで、当時、ダイアナ元皇太子妃の事故死に悲嘆にくれ、英国王室をバッシングした人たちはこの映画をどう見てるんでしょうか? あれは、マスコミに踊らされた一時の熱病だった……と主張したりするんだろうか。 それとも、この映画は、真実を描いていないとなるのかな? 最期のエリザベス女王の台詞にはドキリとしてしまいました。う~む、含蓄ありまくり。 以下、ネタバレにつき反転してます。(ちなみに、うろ覚えなので、台詞は要約気味です。) 女王であることが第一で、私人は二の次だと信じ、そう振舞ってきた。 でも時代は変わった。 静かに耐えるのではなく、感動や涙を安易に要求する時代に。 大衆の意見は恐ろしいほど変わってしまう。 ブレア首相、あなたも、いつかそのことを痛感するときがくるだろう。 なかなか考えさせられる映画でした。 とりあえず、淡々とした映画なので、前日はちゃんと眠ってから行きましょう。じゃないと、私みたいに途中うっかり眠っちゃうぞ!☆(≧▽≦)☆! ・クィーン@映画生活         

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