読書とジャンプ

2012/03/11(日)14:38

【酒とツッコミとボケと太陽】<二>

いただきもの(SS)(177)

※銀魂二次創作SS【酒とツッコミとボケと太陽】<一>の続きです。 もうすっかり夜も明けた。 かぶき町の朝はいつもけだるい空気を醸している。 いつもの階段をだらだらと上がり、ガラガラと戸を開けると、 「あ、銀さん。お帰りなさい。」 思いがけずお帰りの声。 「…。‘ほーむすてい’じゃなかったのかよ?」 「銀ちゃんがちゃんと生きてるか様子見に来てやったら、二日酔いかよ、イイご身分ネ。」 神楽まで奥の居間から顔だけ出して。 「いや、お前に言われたくねー」 「なんだとコノヤロー。人がせっかく心配したんだから感謝するヨロシ。」 何故か偉そうに腕組みしてふんぞり返る神楽だが、まあ、今日のところは構わずにおく。 「へいへい。ありがとさん。」 すると新八が不思議そうに首をかしげて、 「銀さん、なにか良いことあったんですか?」 「んあ?」 「なんか機嫌良さそうに見えたんで」 そういうふうに見えるもんかな、とこちらが内心首をかしげるが、子供らは勝手に話を進めていく。 「どうせ私たちがいない間に羽伸ばして飲んだくれてたアル。」 「でも神楽ちゃん、それはいつものことだよ。」 「あ、そうアル。新八のクセに鋭い分析ヨ。」 「新八のクセには余分だよ…。でも銀さん、やっぱり何だか臭いからお風呂入ってきてください。」 とか思っているうちに、話が自分に戻ってきてしまった。 「はいはい。」 「ずいぶん素直アル。」 「ね?機嫌良さそうだよね。」 なら普段はどうなんだ?なんて今更すぎることは思わない。 「ぱっつぁん。」 思わせ振りに名を呼んで、 「なんですか?」 「いや、なんでもねぇ。」 思わせ振りなまま呼びかけたことを否定する。 「なんですか?言いかけといて。」 案の定、居心地が悪そうに追求してくるので、 「いや、やっぱメガネだよなぁ。うん。」 と、言いかけたことの一部を口にした。 「また僕の本体はメガネとか言い出すんじゃないでしょうね?」 竜宮城でのことをどうやらまだ気にしているらしい新八に、 「当たり」 にまりとそう言うと、あからさまにふくれる。これだから、からかいがいがあるんだ。 本人はツッコミ役だと思っている風なのに。 「銀さん、あんまりそんなこと言ってるとコンタクトにしますよ?」 ジト目で新八が言い終わるか終わらないかのうちに神楽が口をはさんでくる。 「なに言ってるアル。メガネじゃなくなったら新八なんてただのオタクのくせに。」 的外れな反撃には的外れなツッコミ。そして、 「間違ってるぞ、神楽。メガネのあるなしに関わらず新八はただのキモオタだ。」 それにさらに的外れなツッコミで乗っかる。 「うーわ、キモいまで付いちゃったよ。やってらんねーよ、こんな会社。」 いつもの万事屋だ。 好きだとか、可愛いだとか。 そんな甘っちい関係なんかじゃねぇ。 そう言いたい自分もいるが、そういった部分があることを認め、いとおしく思っている自分もいる。 いつか遠くない将来、この形が変わったとしても、幸せな記憶は未来への糧になる。 らしくもないことだが、そんなふうに思える仲間に出会えた俺は、珍しく感謝の気持ちを持っておてんとさんを仰ぐ。家の中からは隠れて見えやしないけれど。 確かに太陽は俺たちを照らしてくれているのを知っているから。 【完】 山崎がすごい 有能に見える!( ̄□ ̄;)!! って、いやまあ、普通にしっかりきっぱり有能なんでしょうけど、あんまりそう見えないのでつい(笑)←ぇー 総悟くんとか山崎が銀さんのことを「旦那」って呼ぶのが大好きなんですが、銀さんと山崎のやりとりががっつり読めて楽しかったです♪ 水無月かへるさん、ありがとうございました!☆(≧▽≦)☆! あ、ちなみに、2箇所程、銀さんの新ちゃん呼びを修正させていただきました。勝手しちゃってすみません。m(_ _)m      

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