2008/02/10(日)14:40
永遠の仔/天童 荒太
永遠の仔(1)
≪あらすじ≫
霊峰の頂上で神に救われると信じた少女・久坂優希と二人の少年は、
下山途中優希の父を憑かれたように殺害する。
十七年後、再会した三人を待つのは……。
文学界を震撼させた大傑作、文庫化!
永遠の仔(2)
≪あらすじ≫
十七年後、優希は看護婦に、少年は弁護士・長瀬笙一郎と刑事・有沢梁平になっていた。
再会直後、優希の過去を探る弟の行動と周囲に起きた殺人事件により
彼女の平穏な日々は終わりを迎える……。
永遠の仔(3)
≪あらすじ≫
弟の行動に動揺を隠せない優希を悲劇が襲う。
優希の実家が焼失。
その焼け跡から母の死体が発見され、容疑をかけられた弟は失踪する。
動転する優希を支えようとする笙一郎と梁平だが……。
永遠の仔(4)
≪あらすじ≫
笙一郎と梁平の三人だけで母の葬儀を終えた優希は、
悲しみを振り払うように再び病院に戻っていた。
失踪を続けていた聡志は笙一郎の前に現れ、事件の真相と姉への思いを語り始めるが、
捜査の手が伸びたことで再度逃走を図り、交通事故に遭い病院に搬送される。
意識を取り戻した聡志に、優希は長年抱えてきた秘密を告白する決意を固めたが…。
永遠の仔(5)
≪あらすじ≫
母に続き弟まで喪ってしまった優希、母と優希への愛情にもがき苦しみ続けた笙一郎、
そして恋人を殺害されてしまった梁平。
三つの無垢なる魂に最後の審判の時が訪れる―。
十七年前の「聖なる事件」、その霧に包まれた霊峰に潜んでいた真実とは?
“救いなき現在”の生の復活を描き、
日本中に感動の渦を巻き起こした永遠の名作、衝撃の最終章。
もともと出版社の幻冬舎が好きで、
その幻冬舎でベストセラーとなった『永遠の仔』をついに読んでみました。
TVでドラマ化もされたというこの小説。
かなり面白いです。
この小説のテーマは、児童虐待。
小児精神病棟という通常ではなかなか知ることのできない場所を舞台に、
様々な形で虐待を受けてきた子供の心は成長とともにどのように変化していくのか。
最近あまり現代社会を舞台にした小説を読んでいなかったせいか、
物語の世界にどっぷり入った感じでした。
親としてもいろいろ考えさせられたなぁ。
ミステリとしては少し物足りない面もありましたが、
純粋な文学として、読んだ後には深い感動を得ること間違いなしのすばらしい作品です。
この本のオススメ度 ★★★★★