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言葉の散歩路

2012年10月23日
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過ぎた日の出会い別れを引き出しに大切に仕舞うその日も涙


父が最初に入院した病院は、助かる見込みのある人を再優先に治療するためにある‥‥ということで体力的に何も出来ない父のような場合は、他の病院に緩和治療目的で転院します。その病院で、もって1~2ヵ月との宣告を受けて今の病院へ転院してきましたが、この17日で丸2ヵ月を迎え、今はとりあえず落ち着いた毎日を送っています。余命のことは、あまりに短かったため本人には知らせていません。そのせいか、本人は医者の言う通りにしていれば完治は無理でも退院出来て家へ戻って、その後は通院で何とかやれるようになるものと思っていたようです。ある程度の病状説明はしたつもりですが、実際、検査の結果もはっきりしないものなので「癌で、もう治らないんだよ」などとも言えません。さすがに入院生活も長くなって来て、最近は痰が絡んで辛いこともあるようで、毎朝廻って来る主治医の先生にそのことを言ってみたりしているようですが、もうこれ以上出す薬はないんですよ、と言われて、聴診器さえあてることもせず、さっさと行ってしまう。この態度は何度か居合わせて見ていますが、とりあえず顔だけは出さないといけない決まりだから出しているだけで、親身でも何でもない、はっきり言って嫌な態度です。ただでさえ不安な患者本人からすれば耐えられないものだと思います。今日行った時に父が思い余って言いました。もう治らないというようなことを言われたと、あと何ヶ月だとかそんなことを聞いてるんじゃないのか、と、無理矢理こんな所に連れて来られて、家に居ればまだまだ歩けてよっぽど良かった、と。あのまま家に居たら今頃とっくに死んでたよ、と言うと、それならそれで良かった、治らないならこんな所で生きてても何になる、ここで毎日ただただお前の顔だけ見てたって仕方ないだろう、と。じゃあ帰る?と言うと、もう遅い、と。本当に、毎日毎日毎日毎日‥‥治療ではない、慰めの薬を飲んで飲んで飲んで、美味しくもない同じ食事を無理矢理食べて食べて食べて食べて‥‥これを、風邪でもひいて病状が悪化するまでただ続けるのか‥‥本当言うと、ずっと疑問でした。入院したことで顔色はずっと良くなったし、沢山話せるようになった。けどほとんど歩けなくなってしまった。あのまま放っておけば良かった‥‥?余計なことをしたのか‥‥。父の大切な時間を私達の都合で勝手にしてしまったのか‥‥。私達の言うことを信じて、良くなるんだろうと信じて嫌々島を出て新潟まで入院しにきたのに、騙されたと恨んで後悔しているのかもしれません。今後どうするのか‥もう一度兄姉達と話し合わないと‥と思った今日でした。






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最終更新日  2012年10月24日 09時40分05秒
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