わんころりん☆にゃんころりん

ちばわん　愛護センター・レポート
センターレポート（2009年4月13日）


センターに収容されていた　出産　子育て中のダルメシアンの母犬が亡くなったそうである
苛酷な環境での子育て　ようやく９頭の仔犬たちがヨチヨチ歩きを始めた所で力尽きた

子を産み育てる事は並大抵の事ではない
のらりんこのおかぁしゃん　まだ御懐妊前に何度か出くわしていた
三毛だから早いうちに捕獲しないと増えてしまう・・・　そうは思ったが時を同じくし母の認知が進み　徘徊傾向が現れ始め放置できない状態となった
気にはなりながらも　まず母のケアに入らざるを得なかった
終身型のケアマンションに入居させ一段落した頃　おかぁしゃんの姿を見かけなくなってしまっていた
今シーズンは間に合わなかったかもしれないとおもいつつ　あえて行方を捜そうとも思わなかった

時は流れて・・・　我が家の目と鼻の先のお宅で件の猫の出産　子育てが始まっていた
そこの御宅の方は元々猫飼いさん
現在は自分の子供に時間をとられ猫はいない
人に言ったら保健所送りになると考え　庭に匿っていた

仔猫が１ヶ月くらいになったある日　遊びに興じているところを近所の子供達に発見された
のらりんこを始めてみた日に　まず思ったことは　『あ～　産んじゃったのね　３匹も・・・』　が偽らざる心境だった

５月も終わる頃であった
幸か不幸かだちぇのミルクや離乳食もあり　月齢も同じくらいだった為　取り寄せたベビーフードと共に提供するハメになった

親猫は地域猫として面倒をみる　仔猫は飼い主探しをするので　捕獲するだけして欲しいとの依頼であったが断った
病院の紹介程度なら協力するが　関わりたくないと何度言っただろうか？

言いだしっぺのお人が　全くの似非愛護
鰹節ご飯に味噌汁をかけたものを与えたり　残り物を何でもかんでも与えていた
コレでは身体を壊すからとフードを提供したが・・・・　コレが私の敗因

仔猫にお家が見付かれば手術後母猫はリリースするつもりだった
・・・が完全放置
費用は全員で折半するので迷惑はかけないという話すらなかったものになっている
巻き込まれて賛同された方々は大層気にかけて下さったが　言いだしっぺが何も言わないものを巻き込まれた人に負担はかけられない

かくして全額私の負担で　野良猫四匹・・・
ここで人馴れしていない猫四匹が完全放置された事になった
餌を与え捕獲した私の責任という事になってしまった
４ヶ月以上餌を与え続けてしまった猫を今更野性にも戻せず　母猫だけリリースすべきか否か思案している頃には外は冷たい木枯らしが吹き始めていた

不妊手術も完了し　この先　寒さの中で全く１匹だけで過ごしていかなくてはならないかと思うと不憫に思えてせめて春になるまで・・・なんて似つかわしくもない仏心が湧き上がってしまった　

相変わらず人馴れはしないが　シューシャーパシッの三種の神器は消え失せた
人馴れしつつある仔猫達を心配そうに見つめている

小柄なおかぁしゃん
もう仔猫達の方がずっとずっと大きくなってしまった
おとうしゃんは大柄な茶白猫さん
今　風邪のせいか目がぐしゃぐしゃになってしまっている
この先も気にかけてはやりたいが何分にも気儘な野良
どうも三毛好きらしく　この間も三毛さんを追い掛け回していた

話がそれたが　過酷な子育ては餌を与える事をしなければ多分みんなが健康体でいることはなかったと思う
とんだ貧乏くじを引かされた結果とは言え　のらりんこ母仔　みんな健康に狭い我が家を駆け巡っている

人馴れには時間がかかるだろう
もしかしたら一生馴れないかも知れない

それでも家に閉じ込めておく事が幸せなのだろうかと葛藤しながら　過酷な外の世界に帰す事ができないでいる

懸命に子を守り　育んでいる姿は神々しくさえ見えた
そんな苦労をしてまで産み育てた無償の愛に対し　私が出来るのは安全で食を求めなくても穏やかに過ごせる場所の提供ぐらいしかない

危険や人目に曝された環境での子育てがいかに負担の大きいものかと改めて認識した　ダルメシアンの母犬の死の報であった