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「ハイブリッドドッグ」に隠された、「残酷すぎる現実」 現代ビジネス 12/26(日) 8:02配信 【以下転載】 「ハイブリッドドッグ」、あるいは「デザイナードッグ」という言葉をご存じでしょうか。 最近人気が高まっている一部の犬種で、「マルプー」や「シープー」などが該当します。 人気芸能人やYouTuberが飼っていることも多く、YouTubeの動画に登場したのを見たことある人もいるのではないでしょうか。 そんな場面を目にして、「ぬいぐるみのようにかわいいので、我が家でも飼いたい」と思った人も多いかもしれません。 しかしハイブリッドドッグには、後述するような悲劇的な歴史や問題もあります。 ハイブリッドドッグとは? ハイブリッドドッグとは、2つの血統種を交配して生まれた犬のことで、特に血統書付きの犬同士を人為的に交配させて生まれた「ミックス犬」を指しています。 よく聞く「雑種」は、一般的に様々な犬種が交配した犬のことを言います。 そのため、雑種とハイブリッドドッグは違うのです。 例を挙げた方がわかりやすいので、ハイブリッドドッグの中でも人気のマルプーで考えていきましょう。 マルプーとは、マルチーズとトイプードルを両親に持つミックス犬です。 ただ両方の犬種の血統がただ混ざっているだけだと、「マルチーズとトイプードルの雑種」になります。 そうではなくて、純血種同士の両親から生まれた犬のみをマルプーと言います。具体的に説明すると、マルプーが生まれる組み合わせは以下の2通りです。 マルチーズ(父親)×トイプードル(母親) トイプードル(父親)×マルチーズ(母親) ちなみに注意点としては、マルプー同士の交配はあまり良くないと言われています。 ハイブリッドドッグの先駆けとなった犬種「ラブラドゥードル」では、以下で説明するような問題も起こりました。新しい犬種をブリーディングすることには、ネガティブな一面も付きまといます。 「ラブラドゥードル」の悲劇 それでは「ラブラドゥードル」がどんな犬だったのか、歴史を紐解いてみましょう。 1989年、いまから約30年前のできごとです。オーストラリアの盲導犬団体に勤務していたウォーリー・コンロン氏が、介助を必要としているが動物アレルギーを持つ人のために、知的で働き者であるラブラドールレトリバーと、毛が抜けにくく動物アレルギーがあっても飼いやすいと言われるスタンダードプードルを交配させて、「ラブラドゥードル」を世に送り出しました。 これがきっかけとなり、ハイブリッドドッグに関心が集まり始めます。 このように両種の犬のいいところだけを取り合わせることができるのならば、人間の希望に沿って、ハイブリッドドッグをつくればいいと思われるかもしれません。 しかし場合によっては、ハイブリッドドッグに取り返しのつかない問題が起こることもあるのです。 CNNによれば、前述のコンロン氏はラブラドゥードルについて、「パンドラの箱を開け、フランケンシュタインの怪物を解き放ってしまった」と振り返っています (「怪物解き放った」、ラブラドゥードルの生みの親が後悔表明)。 動物アレルギーを誘発しないラブラドゥードルをつくろうとしたコンロン氏でしたが、実は誕生した3匹のうち、そのような犬は1匹しか生まれなかったのです。 また前述の記事で彼は、「ラブラドゥードルの多くは精神に異常をきたしているか遺伝上の問題を抱えており、健康な子犬が誕生する例は『ごくわずか』だ」と話しています。 ラブラドゥードルは、精神疾患以外にも、ラブラドールレトリバーとプードルに共通する股関節形成不全や眼病を発症する可能性が高くなると指摘されています。 このような理由から、現在ではラブラドゥードルのブリーディングはあまり行われていません。 実は過去に、オバマ元大統領もファーストドッグとしてこのラブラドゥードルを飼おうとしたことがあったと言われます。長女マリアさんが犬アレルギーのため、抜け毛が少ない犬種を探していたからです。 しかし、コンロン氏が話した通りラブラドゥードルの中には毛が抜ける子もいるため、「ポーチュギーズ・ウォーター・ドッグ」を飼い始めたそうです。 日本ではほとんど目にすることのない犬種ですが、古くからポルトガルの海岸で、漁師のために網を持ってきたり、魚を捕ったりしている巻き毛の使役犬です。 マルプーに脱臼が多い理由 現在人気のマルプーに話を戻しましょう。 マルプーの場合も、マルチーズとトイプードルがかかりやすい病気やケガに対して、遺伝的に弱くなることがあります。 代表例が、膝の皿が本来の位置から外れてしまう膝蓋骨脱臼です。マルプーは遺伝的に膝の関節がゆるく、ちょっとしたはずみで膝蓋骨脱臼になりやすい犬種です。 マルプーを飼っていて歩き方に異変を感じたら、動物病院へ連れて行くべきでしょう。 また疾患ではないものの、問題と見られる行動を起こす子もいます。 一部のマルプーは「元気が良すぎる」のです。もちろん元気が良いのはいいことなのですが、部屋の中を走り回ってばかりでは、飼い主もなかなか落ち着く瞬間がないのではないでしょうか。 そもそもマルチーズとトイプードルは、どちらも活発な犬種です。両者の性格がより強く遺伝すると、このような子が生まれることもあります。 巻き毛でかわいいと思ってマルプーを飼い始めたら、想像以上にしつけに苦労したという話も聞こえてきます。 特に交配が始まってからまだ歴史が浅い犬種を飼う場合は、事前に注意した方がいいでしょう。 人気の猫の「折れ耳」の秘密 また犬だけでなく、猫についても同様の問題が生じています。 日本で絶大な人気を誇っている猫種のスコティッシュフォールドは、人為的に生み出された「ハイブリッドキャット」ではないのですが、1960年代に突然変異がきっかけで誕生した、まだ歴史の短い猫種です。 スコティッシュフォールドといえば、特徴的なのが折れ曲がっている耳。しかし最近では、折れ耳ではないスコティッシュフォールドもたくさん見かけます。YouTubeで人気のスコティッシュフォールドの中にも、耳がピンと立っている子もいます。 実はスコティッシュフォールドの折れ耳は、骨軟骨形成不全症という疾患の症状のひとつで、耳の軟骨が硬くなり前方へと垂れ下がったものです。 程度の差はありますが、骨軟骨形成不全症を抱えている猫は前脚や後ろ脚に骨瘤(りゅう)ができやすく、脚を引きずって歩くようになり、鈍痛に苦しみ続けることもあります。 骨瘤がなくても採血などのために保定すると、関節に痛みを抱えているため極端に嫌がるスコティッシュフォールドも多いです。 そのため診察の際には、耳の形に注意しつつも猫に応じて痛くない持ち方を心がけています。 この疾患は遺伝的なもので、顕性遺伝します。 つまり両親のどちらか一方でも折れ耳であれば遺伝し、治療で治ることはありません。 いくら自分が飼っている子は立ち耳だからといっても、スコティッシュフォールドの飼い主は、このような背景があることを知っておくべきだと思います。 「新しい種」は生み出され続ける… ペットはコロナ禍になっても人気です。 一般社団法人ペットフード協会が昨年12月に発表した「全国犬猫飼育実態調査」によると、新規飼育者飼育頭数は、2019年から2020年にかけて猫では116%、犬では114%と増加しています。 増え続ける飼育希望者のニーズにこたえて、室内でも飼いやすいように犬をより小型にしようとする動きが世界中で見られます。 小型犬は日本と同様に海外でも人気が高く、ブリーダーたちはこぞってミニチュアサイズの犬種を生み出していいます。 しかしその結果、新たな悲劇が起こることもあります。 こちらのTechinsightの記事では、米国でより小さい犬種を求めて無理な交配を重ねた結果、生まれつき目を持たず、内臓癒着など多くの疾患を持った子が産まれたと報じられています。このように無理なブリーディングを繰り返すと、悲惨な事態を起こしてしまうことにもなるのです。 日本でも、主要畜犬団体公認の犬種ではないですが、体高23cm以下とトイプードルよりさらに小さい、タイニープードルやティーカッププードルと呼ばれている犬がいます。 以前アメリカの雑誌で生後1カ月程度の仔犬がティーカップに入った写真が紹介され、話題となりました。 このような小さいプードルは骨がもろく、すぐに低血糖を起こすなど健康面で問題を抱えた子も多いです。 そのため小さい犬を生み出すブリーディングを、お金のために「トイ(おもちゃ)をつくる」と呼ぶ人もいるほどです。 もちろん、現在ハイブリッドドッグを飼っている飼い主の方に、「今すぐ手放せ」「飼っていることを反省しろ」などと言うつもりはありません。 中には健康面で問題ない子や、病気やケガになっても飼い主の手厚いケアを受けている子もいます。 しかし人間は、珍しくてかわいい種を求める傾向にあります。 犬や猫をブリーディングするということは長い時間がかかりますし、慎重に行わないと「怪物」をつくり出すことにもなりかねません。 これからも珍しいハイブリッドドッグがペットショップで並ぶこともあると思います。 しかし見た目のかわいさだけで購入を決める前に、こういった背景知識を学んだうえで決断してほしいと思います。 石井 万寿美(獣医師・作家) 【転載ここまで】 某所から緊急レスキューされたチワワベビー 生後2日 97g 命を繋ぐべくボラさん達は 獣医師指導の元 頑張り続けた・・・ カテーテルで直接胃にミルクを流し込む 一歩間違えれば肺に入って命を失う難しい授乳方法である 口唇裂と一次口蓋裂が原因で 自ら授乳できない個は わずか数日で命の幕を引いてしまった 死亡時82g・・・ こんな状態で生まれるのは無理な繁殖が原因 生まれ落ちた時に授乳できない状態であればそのまま抹殺される命 縁あって救出されたもののやはり生きる事は困難だった 人間の欲の為に生きたくても生きられない命が産みだされる現実 『買い手』がなければ商売は成り立たない シリアスブリーダーの存在がかすむほど≪繁殖屋≫が勢力を伸ばす昨今 それは需要と供給の関係が成り立ってしまうからである 『飼う側』が大いに学んで知識を蓄えてから 自分自身の手に負える犬猫を家族に迎える事を考えて欲しいものだと思う スポーツクラブの帰りに真っ白なボルゾイと遭遇 この白さを常に維持できる飼い主であることを願ってやまない お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021年12月26日 23時02分12秒
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