2007/01/18(木)21:50
月は幽咽のデバイス(森博嗣)
タイトルの意味がわかって,タイトルの(本の中で)意味するところがわかった気になるとなんとなくうれしい。これは,森博嗣の「月は幽咽のデバイス」についてである。
「幽咽」が「ゆうえつ」だって? 読めない!!
ということで,パソコン(含ネット)で「幽咽」を調べたが,やってみた範囲では見つからなかった。
岩波の国語辞典にも載っていない(大きな辞典は奥の奥に封印)ので,残る頼りは「漢語林(大修館)」。ということで「幽」の用例として見つけた!!
1 かすかにむせび泣く。
2 かすかな水流の音の形容。
とすると,英語のタイトル「月がしゃべれば,音はお散歩(The Sound Walks When the Moon Talks)」とほぼ同意じゃん!!
でも,いったいどんな意味だろう?
以上,前置き(笑)
この作品のトリックというか仕掛けというか,全くわからなかったなあ。
まさか,部屋の一部がエレベーターになっているなんて!!
読者と紅子さんには正体を見せてしまった保呂草氏が,昼間レコードを運んだ際,部屋に何かの仕掛けをした,そのことによって死後の傷がついたものとばかり思っていたが,ハズレ!!
オオカミ男のウワサから熊の存在を連想するのもちょっとムリだった(笑)
ということで本筋のほうは全然ダメだったが,タイトルの意味をしっかり調べたおかげで,庭で莉英が話していた相手はわかったのだ。
「月」は満月でもあって,庭に置かれたパラボラアンテナ,それが「幽咽」のつまり,ささやき声を送るための「デバイス(装置)」であったわけだ。
もっとも,そのせいで自分の中では,婚約者の神部が有力容疑者No1になってしまったのだが(笑)
さて,前回の日記のメインキャラ(?)だった森川君,この巻で阿漕荘に引っ越してきた。しかも今回は「しっかりした」お姉さまつき!!
あいかわらず,よい性格でした。
小鳥遊練無のアクションシーンもあり,紅子さんにも武道のたしなみがあることがわかり(でも,この人は強いのか弱いのかけっこう複雑!!),紫子さんはあいかわらず,へっ君が「10メートル以上の木がどうやって水を吸い上げるか?」を調べていることもわかった。
と,登場人物についてあっさりまとめてしまったが,どうにも気になるのが保呂草と紅子の関係(このシリーズは次作の「夢・出逢い・魔性」から読み始めているのでK氏の存在は知っているのだが)。
この巻ではお互いの距離を微妙に測っているような感じがするのが,今後どうなるのか(直前に「夢・…」から読んだと書きながらすっかり忘れてもいる)……?
Vシリーズ前作の「人形式モナリザ」についての日記は,→こちらからどうぞ。
次の日記も読ませていただきました。
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時代・場所,登場人物をフリーページの森博嗣メモ(月は幽咽のデバイス)に簡単にまとめてありますので,ごらんください。
森博嗣の他作品についての日記は,フリーページ 読了本(日本) (森博嗣)からごらんください。
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