まあぼの交差点

保呂草，全開間近！！　というのが

森博嗣の「魔剣天翔」

を読み終わった印象。

各務亜樹良という著名なジャーナリストから，Sky bolt（稲妻）またはMascovy murmur（モスクワ公国のささやき，中心となる宝石）またはFlight feather（主翼）とよばれ，正式名をAngel maneuver（天使の演習，この演習は軍事演習）という美術品を入手したいともちかけられた保呂草。
これはもちろん，探偵ではないほうのお仕事。

この本はVシリーズの５作目になるが，文頭になぜ「間近」を入れたかというと，今回は結局法に大きく触れることをしなかったから(笑)

それにしても，保呂草の仕事＆髭のない保呂草の登場のせいで，愛知県警が調べることになる「事件」がかすんでしまったのは確かだ。

偶然にも，彼が探りたいと思っていたエアロバティックス（曲芸飛行）チームのメンバーの１人が小鳥遊練無の中･高の先輩だった。

いろいろあって，フライト・ショーの当日，２人乗りの飛行機の中でチームリーダであるパイロットが銃で撃たれ，同日夜，同じチームの見習いパイロットがホテル内の一室で殺される。
これが愛知県警の追いかける事件であり，さらに，ショーが始まる前に，チームへの脅迫状が届いていた件で，祖父江七夏も会場にいた。

「仕事」と「事件」だけでもおもしろいのだが，「シリーズ」としての展開もいろいろあり，書いていくのもちょっとたいへん(笑)
これ以降，完全なネタバレはしていませんが，話題そのものがネタバレ的になるのは防げませんのでご注意ください。

今回は「保呂草……！」のほかにも，文頭に置く言葉の候補が実にたくさんあって，迷った。

１　練無，少年に戻る！
２　紅子，七夏との関係を見切る！
３　林，有能な刑事の片鱗を見せる！
４　七夏，保呂草を追う！

などなど。
「へっ君，ざる蕎麦を作る！」というのもよいかなと思ったのだが，紙粘土でざる蕎麦を作るためにどのように消火器を使うのかがわからず断念(笑)

１は，今回の読みどころの１つ（そのせいで「殺人」がますますかすんだ，笑）。
「そうか！　練ちゃんが少林寺をはじめたのにはそんなきっかけがあったのか……」
もう１つの「趣味」も，同じ根っこからきているのだろうなぁ。

練無，紫子の２人が「ふつうの人」の代表のように書かれている点が印象に残った。
森川君はベーシストだし，ライダということもわかり，さらにふつうの「無口な」シティボーイ。
もちろん，以上はあくまでも紅子や保呂草に比べての話である。

２について，「人形式モナリザ」（日記は，→こちらから）ではかなりの動揺を見せた紅子だが，今回はすでに七夏へのスタンスを決めたようだ。
これからは，相手の存在が一時的に不快ではあっても，処理できてしまうのではないかなあ。意地悪はするけれどどろどろはしない感じになると予想するのだが，さて，これから先，どうなることやら？

３以降と「いくつかの謎などについて」はその２（→こちらから）に続きます。

Vシリーズ前作の「夢・出逢い・魔性」についての日記は，→こちらからどうぞ。

次の日記も読ませていただきました。
田ライダー（田ライダーさん）　　懐中時計とペン（咲哉1227さん）
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時代･場所，登場人物をフリーページの森博嗣メモ（魔剣天翔）に簡単にまとめてありますので，ごらんください。
森博嗣の他作品についての日記は，フリーページ　読了本（日本）　（森博嗣）からごらんください。



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